住友ゴム工業の池田育嗣社長は1日、東京モーターショー会場で会見し、地球環境に配慮した高性能タイヤの開発を加速するため、ナノレベルでの分子の挙動を表現し、材料シミュミレーションと解析を行う新材料開発技術「4Dナノデザイン」を確立したと発表した。
池田社長は「今後、環境配慮商品の開発を進めていくためには、ゴム自体の開発や設計といった材料開発技術の進化が非常に重要」とした上で、「ゴムのパフォーマンスを最大限に引き出すため、これまではっきりと見えなかったナノの世界を鮮明にみえる化し、科学的、合理的に材料開発をスピードアップする」と強調。
今回確立した新材料開発技術「4Dナノデザイン」では、「いわゆる3Dに時間軸を加えた4つの次元を使って、ナノレベルで素材を自在にコントロールして材料設計、開発をしていくことが可能になった」と説明した。
合わせて、同技術の活用で、転がり抵抗性能「AAA」、ウェットグリップ性能「c」を達成した低燃費タイヤの新商品『エナセーブ プレミアム』を初公開し、2012年2月に発売すると発表した。
さらに池田社長は「今後は2012年に神戸市で共用が開始される次世代スーパーコンピュータ『京』などを用い、より高精度で高機能な材料開発の取り組みを更に進化させていく」ことも明らかにした。