ダイハツ工業は第42回東京モーターショーに2人乗りの電気自動車『ピコ』を出展している。
取締役社長の伊奈功一氏は、「ダイハツの考える電気自動車の形は、軽自動車よりもさらに小さな、日常のちょっとした乗り物としての用途に適したクルマだ」とし、「高齢化社会や宅配ビジネスなど社会環境の変化に対応した小さなクルマならではの魅力を提案します」とピコの開発の背景を述べる。
また、取締役専務執行役員の北川尚人氏は、まず電気自動車とした理由について、「高齢者の近場の移動であったり、地方では、公共交通機関も無くなりガソリンスタンドも減ってきたことを踏まえた結果です」という。
そして、「街ではお母さんが子供を保育園に送っていくときに自転車に乗せていくのは大変危ない。さらには、都市部では宅配ビジネスが盛んになってきましたが、住宅密集地では、朝早くバイクや軽トラックでもエンジンをかける音がうるさいでしょう。そこにも電気自動車のメリットがあるのではないかと考え、このような前後二人乗りのモデルにしました」とそのレイアウトを語った。
「しかし残念なのは二人乗りになると、原付以上軽自動車以下のカテゴリーでは認められていないのです。ルール上は乗用車と同じ安全基準を満たさなければならないため、値段が高くなってしまうのです。そこで我々はこのカテゴリーを早く認めてもらえるよう働きかけています」と現実化に向けて行動を起こしている。
北川氏は、「我々は第一義に、地方、田舎での移動手段が無くて、日常生活がままならないという人たちの足を提供するという意図があるのです」と語った。