【東京モーターショー11】マツダ TAKERI…3本の絶妙なバランス

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マツダ TAKERI(東京モーターショー11)
マツダ TAKERI(東京モーターショー11) 全 6 枚 拡大写真

第42回東京モーターショーにマツダが出品した『雄(TAKERI)』のサイドには、新たなデザインランゲージ魂動(KODO)デザインが持つ動的な表現がなされている。

サイドには3本のキャラクターラインがある。「ドアミラーからリアに流れていくラインは、チーターが後ろ脚を蹴って前に飛び出していく勢いのイメージ。フロントフェンダーのラインは、ショルダーの肉感で左右に俊敏に動くイメージ。そして、リアフェンダーのラインは、後ろに蹴りだしていく腰の肉感をイメージしている」。デザイン本部チーフデザイナーの玉谷聡さんは話す。

ドアミラーからリアに流れていくラインは、後ろに行くに従って下がっている。これは挑戦だったと玉谷さんはいう。「通常はウェッジ方向で表現しますが、(チーターが)後ろ脚を蹴って前に出る動きを考えるとこうなるのです」。

コントロールは難しかったと玉谷さんは振り返る。「3~4mm位置が変わるだけで全くイメージが違うものになるのです。これら3本のラインのバランスを取るのが非常に難しかった。この3本のラインは行き先を全て決めてバランスを取っているので、1本が若干でも変わってしまうと全部がばらばらと崩れてしまうのです」。

「このクルマの一番美しい部分はショルダーのエリアに集中しています。それ以外の部分は、鋭い動きを支えるしっかりした骨格や、重心感や軸を表現しているのです。通すべきところはびしっと通したうえで、エモーションを表現するところは限定的にギュッと集中させている。誰でも発想するかもしれませんが、このバランスを高いレベルで実際の形にまとめるところが一番苦労しました」。

「このクルマの面質もきれいです。NAGAREデザインで我々が積み上げてきたものを100%使いきって、さらに120%、130%ブラッシュアップして次のモデルを出しているということです」。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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