【三菱 デリカD:2 試乗】ペットフレンドリーなスーパーユーティリティーカー…青山尚暉

試乗記 国産車
三菱 デリカD:2
三菱 デリカD:2 全 6 枚 拡大写真

三菱『デリカD:5』、『D:3』の弟分、2列シートミニバンというキャラクターを持つコンパクトなハイトワゴン/スーパーユーティリティカーが『デリカD:2』だ。

三菱にとってこのクラスのハイトワゴン、燃費のいいコンパクトカーをラインナップすることには大きな意味がある。軽自動車からの乗り換え、旧『グランディス』などのミニバンからのダウンサイズにジャストと言えるのだ。

ボディサイズはコンパクトミニバンの『フリード』、ハイトコンパクトカーの『ラクティス』よりさらに小さく扱いやすさはもう抜群。最大の特徴は低床と高全高パッケージ、そしてこのクラスでは数少ないリヤスライドドアを採用していることだ。

エンジンは1.2リットル。副変速機付きCVTと組み合わわされ、10・15モード燃費は21.0~22.5km/リットルとガソリン車のライバルを圧倒する。駆動方式はFFと4DWを用意する。

デリカD:2に乗り込んでまず感動できるのが全方向の視界の良さ。着座位置はミニバン並みに高く、それこそボックス型ミニバンから乗り換えても違和感はない。前席の掛け心地も分厚いクッション感が心地良く、カラー液晶を使ったメーター類の見やすさ、1-2列目席スルー(Hスルー)が可能なパッケージも大いに褒められる。

スライドドアからの乗降性はフロアの低さもあって大型ミニバンより快適だったりする。5:5分割で165mmスライドする(X、Sグレード)後席の居住性にしてもクラスを大きく越えた広さを誇る。身長172cmの筆者のドラポジの背後で頭上に225mm、膝回りに最大360mm(Mクラスボックス型ミニバンの2列目席より広い!)もの空間がある。天井も高く、大人でもちょっと背をかがめれば立って歩けるほどなのだ。そしてたっぷりとしたシートサイズにも注目だ。

ペットフレンドリー度はズバリ、クラスベストと断言できる。後席足元のフラットフロアは大型犬がゆったり横になれるほど広く(幅1240mm×奥行き420mm)。後席フロアからシートまでの高さは340mm。小型犬でもピョンと飛び乗れる高さだ。

さらに5:5分割の後席の片側をフラットに格納すれば、後席の飼い主のすぐ横に愛犬を座らせることもできる。

D:2の走りは日常域の快適性と燃費を重視したもの。ステアリングやアクセル操作に対するクルマの動きは穏やかで、乗り心地にしてもじつにマイルド。さすがに重心は高くカーブやレーンチェンジでの姿勢変化は小さくないが、普通に走る限り不安など皆無とも言える。むしろファミリーカー、ペットを乗せるクルマとしての乗り心地の良さに納得満足できるのだ。しかも動力性能は素晴らしく出来のいい1.2リットルエンジンのおかげで想像以上に活発。静粛性も副変速機付きCVTの効果で想定外に高く、長距離、長時間の運転でも疲れにくい。

お薦めはグレードは後席が5:5分割でスライドし、アレンジ性に優れ、格納時に段差ができないX、またはSグレードだろう。

青山尚暉|モータージャーナリスト
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイトも手がける。ドッグライフジャーナリストの肩書も持つ。

《青山尚暉》

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