【新聞ウォッチ】エコカー補助金「10万円」復活

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トヨタ アクア(東京モーターショー11)
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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2011年12月21日付

●東電、実質国有化へ、官民が2兆円支援(読売・1面)

●普通車10万円、補助金復活、エコカー100万台増期待、燃費基準は厳しく、販売店、強気の読み(朝日・6面)

●英で生産倍増、ホンダが発表(朝日・6面)

●ジャパネットEV売ります。三菱自いまや「家電」扱い(朝日・7面)

●小田急ロマンスカー人気車両引退へ(朝日・30面)

●12年販売「100万台増やす」自工会会長(毎日・8面)

●オリンパスきょう捜索、特捜部など、虚偽記載の疑い(産経・1面)

●ホンダ新型ディーゼルエンジン来冬投入、独自開発、欧州巻き返し(産経・12面)

●低燃費エンジン生産4倍,スズキ、軽、リッター30キロが主戦場(日経・1面)

●ガリバー、中古車店倍増、16年めど800店、大型展示場も新設(日経・12面)

●トヨタ、統括部門新設、現地生産現地調達推進へ(日経・13面)

ひとくちコメント

あの「エコカー補助金」が再び期間限定で実施されるという。2011年度第4次補正予算案が閣議決定されたのを受けて、経済産業省は今月20日から2013年1月31日までに新規登録する車両のうち、一定の燃費基準を満たすエコカーを対象に対し、1台当たり乗用車が10万円、軽自動車が7万円を交付するというもの。エコカー補助金復活は冷え込んでいる国内の新車需要を盛り上げる起爆剤となる可能性も大きい。

きょうの各紙も、「エコカー100万台増期待」(朝日)や「小型車販売ギア一段と」(日経)などと、日本自動車工業会の志賀俊之会長のインタビュー記事などを掲載。「6重苦」に悩む自動車業界にとっては一足早いお年玉のような朗報だろう。

ただ、交付を受けるユーザー側からすれば手放しで喜べない面もある。実施期間が1年余りもあるとはいえ、約300万台、3000億円の総額予算が底を付いた段階で打ち切られるからだ。前回のエコカー補助金の時でも、駆け込み需要が殺到して期間内でも登録に間に合わないで受け取れなかった補助金“難民”があふれた。

日経によると「人気車種の動き次第で同じ結果となる可能性もある」と指摘。毎日は「新車販売の約2割は新たにエコカー減税の対象から外れ、エコカー補助金の対象にもならない見通し」と報じている。新車購入時に、ユーザーは「10万円を返上しても乗りたい車にするか、あるいは、10万円のために、無難なエコカーにするか」という悩ましい決断を迫られることにもなりかねない。

もう一つの懸念は、新車価格の“便乗値上げ”の心配である。例えば、来週の26日に正式発表するトヨタ自動車の小型HV『アクア』の予約受注時のエントリー価格は169万円だが、これは主に法人向けで装備もシンプル。一般ユーザーには、ワンランククラス上の179万円が売れ筋となるそうだが、イメージ的にはエコカー補助金復活で、実質エントリー価格に等しい。

今回、閣議決定したばかりの補助金の交付開始がアクア発表の直前というのも偶然の一致にしては絶妙なタイミングである。しかも、アクアだけに補助金を当て込んで“水増し”したわけでもないだろうが、業界関係者の中にはアクアの価格は一時「160万円を切るのでは」との予測もあったほど。補助金対象の300万台 のうち、復興支援にもつながるとみられる関東自動車の岩手工場で生産するアクアがどの程度占めるのかどうかも興味深い。

《福田俊之》

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