AACNを活用したドクターヘリによる救命救急活動の実証実験を公開

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ドクターヘリ実証実験
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NPO法人、救急ヘリ病院ネットワーク(HEM-Net)は20日、トヨタ自動車と共同で、先進交通事故自動通報装置(AACN)を活用したドクターヘリによる救命救急活動の実証実験を茨城県つくば市で実施した。

AACNとは、衝突直前の速度や衝突時の速度変化などを記録するイベントデータレコーダ(EDR)をエアバッグシステム内に搭載した車両が交通事故を起こした際に、EDRから自動的に送られてくるデータをもとに乗員のけがの状況を予測するとともに、消防署や警察、さらにはけがの度合いによってはドクターヘリを備えた救急病院に直接電話で知らせることで、救命・救急・治療を支援するサービス。

今回の実験では、トヨタが試作したAACN対応の車両を実際に衝突させて、その時点からドクターヘリが現場に到着し、ヘリに同乗した医師が負傷者に接触するまでの時間を、AACNを用いることで現行と比べてどれくらい短縮できるかを検証した。

実験車両が50km/hで衝突すると、EDRからのデータが都内にあるオペレーションセンターへ自動的に送信され、そのデータに基づく車両の被害状況から乗員のけがの度合いを推定し、約3分後にはドクターヘリの出動を要請した。

出動要請を受けたドクターヘリは衝突から約20分後に現場近くに着陸、その1分後にフライトドクターが負傷者に接触、衝突から約33分後にドクターヘリは離陸した。HEM-Netによるとドクターヘリのフライトドクターが治療を開始するまでの平均時間は現状では約38分。今回の実験ではこれを7分短縮した。

今回の実証実験に用いたAACNを実用化するには、自動車メーカー各社のシステムへの対応が前提になるが、HEM-Netの石川博敏理事は「5年後くらいには実用化を目指したい」との見通しを示した。

《小松哲也》

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