AACNを活用したドクターヘリによる救命救急活動の実証実験を公開

自動車 ビジネス 企業動向
ドクターヘリ実証実験
ドクターヘリ実証実験 全 8 枚 拡大写真

NPO法人、救急ヘリ病院ネットワーク(HEM-Net)は20日、トヨタ自動車と共同で、先進交通事故自動通報装置(AACN)を活用したドクターヘリによる救命救急活動の実証実験を茨城県つくば市で実施した。

AACNとは、衝突直前の速度や衝突時の速度変化などを記録するイベントデータレコーダ(EDR)をエアバッグシステム内に搭載した車両が交通事故を起こした際に、EDRから自動的に送られてくるデータをもとに乗員のけがの状況を予測するとともに、消防署や警察、さらにはけがの度合いによってはドクターヘリを備えた救急病院に直接電話で知らせることで、救命・救急・治療を支援するサービス。

今回の実験では、トヨタが試作したAACN対応の車両を実際に衝突させて、その時点からドクターヘリが現場に到着し、ヘリに同乗した医師が負傷者に接触するまでの時間を、AACNを用いることで現行と比べてどれくらい短縮できるかを検証した。

実験車両が50km/hで衝突すると、EDRからのデータが都内にあるオペレーションセンターへ自動的に送信され、そのデータに基づく車両の被害状況から乗員のけがの度合いを推定し、約3分後にはドクターヘリの出動を要請した。

出動要請を受けたドクターヘリは衝突から約20分後に現場近くに着陸、その1分後にフライトドクターが負傷者に接触、衝突から約33分後にドクターヘリは離陸した。HEM-Netによるとドクターヘリのフライトドクターが治療を開始するまでの平均時間は現状では約38分。今回の実験ではこれを7分短縮した。

今回の実証実験に用いたAACNを実用化するには、自動車メーカー各社のシステムへの対応が前提になるが、HEM-Netの石川博敏理事は「5年後くらいには実用化を目指したい」との見通しを示した。

《小松哲也》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 内装はまるで「地中海のヨット」! VWが新型キャンピングカー『グランドカリフォルニア』発表へ
  2. 日産『エクストレイル e-POWER』、338馬力デュアルモーターの「e-4ORCE」をインドネシア投入
  3. もしも「タイプ992」が初代911をオマージュした世界線だったら…? ウクライナのデザイナーが再解釈
  4. ランボルギーニの新型スーパーカー、初のカスタマイズ仕様「ポルト・チェルヴォ」公開
  5. トヨタ、愛知県豊田市に新車両工場を建設へ…2030年代初頭稼働めざす
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  3. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  4. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
  5. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
ランキングをもっと見る