【CES 12】国が違うとこんなにも差…カメラのWi-Fi

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Wi-Fi対応したJVCの最上位モデル・GZ-GX1。日本では下位モデルのみがWi-Fi対応になる(CES 12)
Wi-Fi対応したJVCの最上位モデル・GZ-GX1。日本では下位モデルのみがWi-Fi対応になる(CES 12) 全 10 枚 拡大写真

「3Dの次はWi-Fi?」 CES2012でカメラ各社が一斉に発表したのがWi-Fi接続で映像を飛ばすシステムの搭載だった。これまでも同様なシステムは提供されていたが、カメラメーカー自身が手掛けることでより使いやすくサービスを提供できることに注目が集まった。

各社がこぞって発表したのがWi-Fi接続を使った様々な用途だ。すでにWi-Fiを使って映像を送ることは珍しいことではないが、一般ユーザーがよりわかりやすい形でカメラメーカー自身が提供するようになったのが新しい。さらにWi-Fiを使ってカメラのコントロールまで行う遠隔操作を出展するメーカーも多かった。

もっとも熱心だったのがJVCで、北米向けに先行発表したビデオカメラ全シリーズにWi-Fi機能を搭載。ビデオメールを送信したり、スマホから遠隔操作して録画を行ったりできる機能を搭載した。

まずビデオメールではAVCHDで撮影したフルHD動画をMP4に自動変換してメールに添付し送信する。親切なのは、撮影する時にモニター上でカウントダウンが始まり、撮影後はフルHDのAVCHDでそのまま保存、送信時に自動的にMP4に変換してくれること。送信時は内容を確認してから送信でき、その場で撮り直しもできる。

顔認識や動体検知を使って、指定アドレスに自動的にメールを送ってくれる機能もある。留守中に訪ねてきた人はもちろん、子供が帰宅したのを確認するのにも便利だ。さらに、カメラとスマホあるいはタブレットを組み合わせ、カメラで捉えた映像と音声をリアルタイムでモニタリングしてコントロールできる機能も用意した。

キヤノンも撮影した映像をWi-Fi送信できるビデオカメラを発表。あらかじめ送信する映像をMP4で保存しなければならないが、売れ筋となる「Mシリーズ」「Rシリーズ」の両方にこの機能を搭載して力を入れる。

パナソニックもWi-Fi機能の搭載にいち早く対応したメーカーだ。ただ、今回のCESではとくに新技術を搭載したモデル発表せず、試作機の展示にとどまった。しかし、カメラをモニタリングしながらWi-Fi接続してコントロールするシステムはタイムラグが少ない完成度の高いものだった。Wi-Fi接続できるウェアラブルカメラも試作展示していた。

韓国サムスンもWi-Fi対応機に力を入れる。デジタルカメラを4機種投入し、撮影した画像をカメラからスマホやPCなどに転送し、FacebookなどのSNSや画像共有サイトにアップロードできる。メールに添付して送信することも可能だ。

Wi-Fiではないものの、1対1で互いに認め合った関係先にのみワイヤレス送信できる機能を発表したのが富士フイルム。間もなく登場するカメラに搭載する予定で、Wi-Fi認証という難しさをなくし、携帯電話に搭載されていた赤外線通信のような気軽さがウリとなる。

ソニーが用意したのは新型「ブローギー」。この機種ではWi-Fi接続し、ストリーミングしながら撮影もできるのがポイント。メールを直接送信したり、SNSへのアップロードにも対応する。すでに北米では発売されたが、日本市場への投入予定はないとする。他社も事情は同じようで、日本ではせいぜい1機種程度出すのみ。おおよそ様子見といった感が強い。

それは何故か。その理由は日本のユーザーがWi-Fiに対して「とにかく難しい」と思い込んでいることが大きいという。すでに発売されたWi-Fi対応機の状況を見ても日本では泣かず飛ばすなのに対し、北米市場での反応は悪くないという。そうした事情の差がWi-Fi対応機のラインナップに違いを生んだと言える。

《会田肇》

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