【インタビュー】市光工業 SAFETY VISION…事故対策だけでないドライブレコーダー

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市光工業を取材した。インタビューに応じてくれたのは、市光工業 オートモーティブアフターマーケット部 カスタマーパーツセールス課 課長 加瀬義明氏
市光工業を取材した。インタビューに応じてくれたのは、市光工業 オートモーティブアフターマーケット部 カスタマーパーツセールス課 課長 加瀬義明氏 全 3 枚 拡大写真

市光工業は、自動車電装部品のメーカー、架装メーカーに向けて灯火類を中心に製品を開発、供給している。トラック向けのリヤカメラの市場では40%のシェア(国内1位)を持っている。

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『SAFETY VISION』と呼ばれる同社のリヤビューモニターシステムは、4CHのカメラ入力が可能で、モニター部分がルームミラーに取り付けられるようになっているのが特徴だ。このモニタリングシステムにドライブレコーダー(THD)機能が追加されたという。

市光工業 オートモーティブアフターマーケット部 カスタマーパーツセールス課 課長 加瀬義明氏に製品詳細や今後の狙いを聞いた。

---:ドライブレコーダーというとタクシーなどに搭載された交通事故対策のカメラをイメージしますが、リヤカメラとの組み合わせた意図はどこにあるのでしょうか。

加瀬氏(以下敬称略):普通のドライブレコーダーは、1台のカメラを前方に向けて事故前から事故時の映像を記録することで、保険適用時の証拠などに利用する使われ方が多いかと思います。当社のSAFETY VISIONは、映像データだけでなく、GPSや加速度センサーの情報などを組み合わせて長時間記録(ログ)が可能です。つまりデジタルタコグラフ(デジタコ)とドライブレコーダーの機能を合わせたようなものです。

---:そのような製品を開発したきっかけはなんでしょうか。

加瀬:市光工業は、トラックや商用車用のリアカメラの市場では国内1位のシェアを持っています。そのカメラ技術を応用した製品を開発しようとなったとき、ドライブレコーダーという製品が挙がりました。しかし、カメラ単体やドライブレコーダーの市場は、すでに価格競争の段階に入っています。そこに似たような製品を投入しても価格の勝負になってしまいます。そのような消耗戦に参入するより、市光工業ならではの付加価値をつけた製品を開発できないかと考えました。その結果、前方だけでなく後方や左右の映像を含んだ周辺情報の走行ログがとれる製品というアイデアが生まれました。

---:どんな分野での活用やニーズが考えられますか。

加瀬:走行データのログ保存や分析が可能になることで、交通事故の映像記録だけでなく、業務管理のデータ収集など用途が広がります。そのため、カメラ映像も前方、後方、左右の映像、4CH分すべてのデータが記録できるようになっています。保存されたデータはSDカードによって本体から会社のPCやシステムで読みだすことも可能です。GPS情報は地図アプリやGEOサービスなどと組み合わせて表示させることもできます。

加瀬:もちろん、モニター部分の映像で運転時の安全確認も行えます。たとえば、あまりニュースになりませんがパッカー車(ゴミ収集車)の事故は少なくありません。このような車両の周辺の安全確認、とくに後方の回転板の操作確認にリアカメラのモニター機能は役だっています。面白い例では、警察と協力してSAFETY VISIONシステム搭載車の画像を防犯や捜査に利用するという取り組みもあると聞いています。

---:SAFETY VISIONのモニターは、ルームミラーに取り付けるタイプですが、ナビの画面に表示させることはできますか。

加瀬:もちろん可能ですが、トラックやバンなど商用車で、荷物を搭載した状態や架装された状態では、ルームミラーは実質機能しません。乗用車の感覚では、ナビの画面に表示されるほうが自然かもしれませんが、トラックなどの運転手にとっては、むしろルームミラー部分がモニターのディスプレイになっているほうが便利なのです。実際、ルームミラータイプのモニターを出したとき、売れるのかどうか心配する声もあがりましたが、いまでは他社も類似製品を出してくるなど、需要があることが確認できました。このタイプはトラック用の後方確認モニターのスタンダードといっていいでしょう。

---:ドライブレコーダーと組み合わせたSAFETY VISIONは、いつ頃発売される予定ですか。またその価格はどれくらいになるのでしょうか。

加瀬:出荷開始は、2012年の2月頭を予定しています。最初はOEMでの採用となると思います。価格は、カメラ、モニター、ドライブレコーダーなど一式で6~7万円を目指しています。

---:一式で10万円以下というのは業務用としては安い印象もありますが、乗用車向けや直販なども視野に入っているのでしょうか。

加瀬:乗用車への応用は考えています。メーカーオプションでの採用などの働きかけをしていますが、トラックなどよりフロントガラスが小さい乗用車では前方視界の確保など保安基準の問題もあり、4.3インチの小さいモニターなど検討しています。価格を抑えているのは、車両価格が数千万円となる大型トラックや架装車だけでなく、数百万円オーダーのトラックや営業車にも搭載しやすいようにという戦略です。

加瀬:市光工業の場合、直販といっても対エンドユーザーへの販売ではなく、運送会社、レンタカー会社などBtoBでの取引となります。現在販売チャネル別の売り上げ比率は代理店経由が最も多く、次いで架装車メーカーへの販売です。修理工場や運送会社などへの直販は合わせて全体の15%くらいです。これをもっと強化して、比率を上げたいと思っています。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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