【オートモーティブワールド12】欧州で拡販期待のマイクロハイブリッド向け蓄電デバイス 日本ケミコン

エコカー ハイブリッド
日本ケミコンブース(オートモーティブワールド12)
日本ケミコンブース(オートモーティブワールド12) 全 12 枚 拡大写真
オートモーティブワールド12を構成する第4回国際カーエレクトロニクス展。日本ケミコンブースに、マツダが2012年発売を予定している新型車(Dセグメントモデル『アテンザ』の次期モデルと推測される)に搭載されるエネルギー回生システム用蓄電デバイスが出展された。

蓄電に使われるのはリチウムイオン電池や鉛電池ではなく、電力を静電気の形で蓄える電気二重層キャパシタ。容量は二次電池に比べるとずっと小さい半面、内部抵抗が非常に小さいため、エネルギーを素早く蓄えられる。その特性が減速エネルギー回収に適しているのだ。デバイスのモジュールは大きめの水筒程度に収まっており、かなりコンパクトな印象を受けた。

「クルマの燃料消費のうち、1割程度は電気系統に食われています。減速エネルギー回生でそれを補うことは、燃費向上に直結します。今はまだ採用例が少ないですが、マイクロハイブリッドのニーズが高まれば量産効果も出て、キャパシタの弱点であったコスト高も解消されていくと思います」。(日本ケミコン関係者)

マイクロハイブリッドはCO2規制の厳しい欧州を中心に、今後かなりのスピードで普及していくとみられる。自動車部品世界大手のなかには、マイクロハイブリッドは標準技術になると予測する向きもある。その最新ソリューション技術という点で、興味深い展示物といえる。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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