【レクサス GS 開発ストーリー】レクサス専用のプラットフォーム

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レクサスGS新型
レクサスGS新型 全 6 枚 拡大写真

間もなく発表される新型レクサス『GS』は、本気でジャーマン3(メルセデスベンツ、BMW、アウディ)に立ち向かうべく基本から見直されたモデルだ。

「そろそろ自分たちも本気で良いものを作ろうという空気が出てきたのです」と話すのはGSの動的評価を担当した車両実験統括部プロジェクト開発推進室主任の伊藤俊則さん。

「これまでは、結果として良いところ悪いところはあるものの、トータルで見ると、差が大きかった。自分たちも実際に出来たクルマに乗るとその差は認めざるを得ないところでした。メルセデスペンツ、BMWに勝っているかといわれたら、残念ながら……」と悔しさをにじませる。

なぜできなかったのか。「いままではレクサスはやりたいがトヨタがやりたくないからできませんでしたという話が山のようにありました。『マークX』や『クラウン』は国内モデル。対して『IS』やGSは欧州などで限界に近い車速まで走るので、当然ニーズも違ってくるのですが、これまではひとつのプラットフォームだったので出来なかったのです」。

そこで、今回はプラットフォームを新規作成、特にリアは全く新しいもので、ベースからもう一度見直し、そのうえでボディ剛性を上げた。因みにこのプラットフォームは次期『IS』にも使うという。「トヨタ車には使わないし(コスト面で)使えないのです」。

レクサスならではの味について伊藤さんは、「例えばメルセデスベンツを一言で表せと言ったら、重厚感。BMWは走りのイメージがあります。そこで、GSもこういったキャラクターみたいなものを作ろうと思いました。具体的には“切れの良さ”。特にステアリングの切れの良さや、クルマそのものの切れの良さで、そこを感じてもらえると嬉しいですね」という。

「メルセデスやBMWはここまでの切れはないでしょうし、(彼らの)ステアリングなどの操作感は、重いか軽いかといわれると重いのです。そこでGSはあえて軽めにしました。それは軽快感も出したかったし、ステアリングを切った時のクルマがコーナーへの入るときの人の感じ方に大きく関係する。軽すぎると不安に感じるので、そのあたりは程よくバランスを取りました」と語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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