【フォード エクスプローラー エコブースト 試乗】ダウンサイジングとは思えぬ“力感”…松田秀士
試乗記
輸入車

V6の旧エンジンより30psアップの243psはスペック値以上に力があり、しかも高回転域まで低振動で静かだ。80km/hからフルスロットルにしても、およそ2.0リットルターボとは思えないくらいに力強く、フロントが持ち上がるのをはっきりと感じ取れるくらいにトルクがみなぎっている。
エコ系のダウンサイジングエンジンでこれほどのパワーを感じさせるエンジンは初めてだ。フォードがディーゼルで培ってきた技術がいかんなく投入されているというが、2.0リットル級では最強ではないだろうか。そして、使用燃料がレギュラーガソリンであることにも驚かされた。
直列4気筒となりエンジンを含めたフロント部の重量が軽くなり、しかもFWDなのでハンドリングはより素直になったことも嬉しい。サスペンションの動きは締まりがあり、しかも路面によく追従している。
また、オーディオの音を少し上げていればエンジンの音は感じないほどで、ボディーの遮音性とキャビンの静粛性がとても高い。シートもアメリカンなふくよかさを持っていて、それでいてサポート性も良く長時間のドライビングに疲れを感じさせない。3列シートも最後列が広いとはいえないが、キャビンの質感が高い。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
松田秀士|レーシングドライバー/モータージャーナリスト/僧侶
スローエイジングという独自の健康法を実践しスーパーGT最年長55歳の現役レーサー。今でも若者レーサーとバトルを演じるレベルを保っている。国内レースだけでなく海外レースにも多くの出場経験を持つ。メカニズムにも強く、レースカーのセットアップや一般車の解析などを得意とする。専門誌等への寄稿文は分かりやすさと臨場感を伝えることを心がけている。