東レは9日、日本・米国・フランス・韓国の世界4極で炭素繊維の生産能力を増強すると発表した。
4拠点に総額約450億円を投じ、合計年産能力6000tの生産整備を導入。2014年から15年にかけて順次生産を開始する予定。
同社では現在、年産1万7900tの炭素繊維生産能力を有しており、今回の大規模増設により、グループ全体の生産能力を15年3月に年産2万7100tまで拡大する見通し。
国内では総投資額の約50%を投じ、愛媛工場に年産能力1000tの、航空機・高級自動車用途向けを中心とする高機能細物炭素繊維生産設備を原糸(プリカーサ)からの一貫で建設する。
海外の3拠点では産業・スポーツ用途市場への安定供給体制を拡充するため、同用途市場でデファクト・スタンダードとなっている汎用高強度普通弾性率糸の生産設備を増強する。
フランスでは日本、米国に続く3番目の拠点として、原糸(プリサーカ)生産設備を建設し、米国では14年9月稼動予定で、年産能力2500tの焼成設備を増設する。また、韓国でも14年3月稼動予定で、米国と同仕様の年産2500tの焼成設備を建設する。
同社は今後、炭素繊維市場の本格拡大に向け、航空・宇宙、産業、スポーツの各用途において用途開発を加速するとともに、生産体制を強化・拡充し、炭素繊維複合材料事業の拡大を目指す。