ローム、電気自動車など向けフルSiCパワーモジュールを量産化

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ロームは、内蔵するパワー半導体素子を全てSiC(炭化ケイ素)で構成したフルSiCパワーモジュールの量産を開始すると発表した。

太陽電池、電気自動車、鉄道などパワーエレクトロニクスの分野で、Siデバイスよりも電力変換時の損失が少なく、材料物性に優れたSiCデバイス/モジュールのニーズが高まっている。しかし、搭載されるパワーデバイスを全てSiCからに変えたフルSiCパワーモジュールは、長年世界中のメーカーで試作が進められてきたものの、信頼性の面で課題が多く、量産化されていなかった。

今回開発したフルSiCパワーモジュールは、同社独自の欠陥抑制技術やスクリーニング法を開発することで信頼性を確保した。SiC特有の1700度の高温プロセスでの特性劣化を抑制する技術などを開発することで世界初のフルSiCパワーモジュールの量産体制を確立した。

最先端のSiC-SBD(ショットキー・バリア・ダイオード)とSiC-MOSFET(金属・酸化物・半導体電界効果トランジスタ)のペアを2素子搭載し、従来のSi-IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)モジュールに比べて電力変換時の損失を85%低減できる。

また、IGBTモジュールに比べ10倍以上となる100kHz以上の高周波動作を実現した。定格電流は100Aだが、高速スイッチングと低損失化により定格電流200~400AのSi-IGBTモジュールを置き換えることが可能となる。

同社では、SiCをはじめとしたパワーデバイス事業を成長戦略の一つと位置付けており、今後も高耐圧化、大電流化を実現したSiCデバイス/モジュールのラインアップを強化するとしている。

《レスポンス編集部》

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