日立、燃料電池向け高分子電解質膜を開発---小型電源への適用

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日立製作所は、直接メタノール形燃料電池(DMFC)向けに水素イオンの伝導性を低下させることなくメタノールの透過性を約半分に低減した高分子電解質膜を開発した。

今回開発した高分子電解質膜をDMFCに適用することで、発電効率を約5%向上することが可能になる見通し。今後、ポータブル機器用途など小型電源への適用を目指す。

災害時などに使用可能な、既存の電力網とは独立した電源へのニーズが高まっているほか、環境配慮の観点からCO2排出量が少ない電源が重視されている。

燃料電池はこれらの要求に応えるクリーンな発電システムで、特にDMFCは液体燃料であるメタノールを燃料電池に直接供給できるため、水素製造のための補機が不要になることから小型化が容易で、ポータブル機器電源などへの応用が見込まれている。

ただ、DMFCは他の水素燃料電池より酸化反応が遅く、発電効率が低いことが普及に向けた大きな課題だった。同社は、材料・システムの研究開発を進め、今回DMFCの効率向上を実現する高分子電解質膜を開発した。

燃料電池を構成する主要材料の一つである高分子電解質膜は、電子やガスなどは通さず水素イオンのみを透過させる性質が求められる。従来のDMFCはメタノールが高分子電解質膜を透過してしまうことから燃料ロスや発電性能が低下していた。また、高分子電解質膜のメタノール透過性を低減させると水素イオンの伝導性も同時に低下し、発電性能が低下する。

同社は、高分子電解質膜の燃料吸収率がメタノール透過性に大きく影響することを発見、燃料吸収率を低減することで高分子電解質膜の膨張を抑制する技術を開発した。

《レスポンス編集部》

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