【マツダ CX-5 試乗】ボートのオールが大きいディーゼル…諸星陽一

試乗記 国産車
マツダCX-5
マツダCX-5 全 9 枚 拡大写真

マツダ『CX-5』は事前試乗会で好印象をもっていたクルマだけに、公道試乗は待ち遠しかった。今回、試乗したのはガソリン4WD、ディーゼル4WD、ディーゼル2WDの3種。このなかでもっともいい感触を受けたのがディーゼル2WDだ。

エンジンは低速トルクがしっかりとしていて、クルマを楽に走らせることができる。従来多くの人が抱いているディーゼルエンジンの印象……。つまり、遅い、うるさい、くさいといったものは一切なく、速く、静かで、クリーンなのがCX-5に搭載されたスカイアクティブDだ。

2WDは4WDよりもメカニカルな抵抗が少ないフィールで、トルクが無駄なく路面に伝わっている。

CX-5ディーゼルはアクセルペダルをグイと踏み込んで加速するような走りではなく、ゆるやかにしかし力強く加速するような走りが似合う。

それを象徴するかのようにCX-5のアクセルペダルはオルガン式を採用している。おかげでくるぶしの動きとペダルの動きが平行になるので、ふくらはぎに負担がかかることもなく楽。燃費を気にして微妙なアクセルワークをしながらの長距離走行時に足がつる……、というようなトラブルも起きづらい。

力感あふれるディーゼルエンジンは急激なアクセルワークをせずにゆっくりとアクセルペダル踏んでやるだけで、グイグイと加速していく。手こぎボートのオールが大きくなったような印象だ。しかもそのオールを漕ぐのがまったくつらくないのだ。

乗り心地はゆったりとしている。コーナーではそれなりのロールを伴うのだが、グリップ感がしっかりとあるので不安はない。

CX-5はマツダのクルマ作りの新たな方向性を示しているクルマだ。これだけしっかりとしたSUVを作れるのだから、これから出てくるクルマが楽しみ。現在、マツダはアテンザが最上級となっているが、それ以上のクラスのセダンなども十分に作れるだろうと予感させる1台だった。

パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  2. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  3. セリカに次ぐ「リフトバック」採用のカローラは、50年経ってもスタイリッシュ【懐かしのカーカタログ】
  4. シートに座ると自動で送風開始、取り付け簡単「クールカーシート」2モデルが発売
  5. 【マツダ CX-60 XD SP 新型試乗】やっぱり素のディーゼルが一番…中村孝仁
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  2. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
ランキングをもっと見る