【VW パサート オールトラック 海外試乗】ありそうでなかった…桂伸一

試乗記 輸入車
VWパサートオールトラック
VWパサートオールトラック 全 18 枚 拡大写真

VWにありそうで無かった“新種”が誕生。「セダン以上SUV未満」の個性を持つその名は、『パサート・オールトラック』。

ワゴンであるヴァリアントをベースに、地上高を30mmプラスの165mmに高め、ボディの前後を急斜面にも対応できるように整えて凹凸の激しい路面での走破性を高めた全天候型である。

もちろん駆動は4WD。クラッチを介して前後の駆動配分を制御するトルクスプリット式。通常走行は前輪駆動で、路面状況に応じて前後の駆動配分は100対0から0対100まで自在に可変しながら安定走行を可能にする。

その性能をオーストリア・エルマウの雪上特設ステージで体感した。ただし暖冬が雪をシャーベット状に溶かし、水分を含んだ土は泥粘地となり“滑る滑る”…。
 
本来、一輪が空転してから4WD制御が強まるシステムだが、最新のそれは“空転を感じた時”はすでに四輪で駆動しながら強引に脱出方向に導いている。つまりフルタイム4WDと遜色ない高い駆動能力を示す点がいい。

200km/hまで加速した高速走行は、直進安定性とステア操作に正確に曲がる能力がセダン(ワゴンだが)と同等。SUV感覚の視線の高さと視界の広がりが楽しい。
 
今秋には上陸予定のオールトラック。ひとクラス上の走破性能の本領発揮はやはり冬山か。

■5つ星評価
パッケージ:★★★★★
インテリア:★★★★ 
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
お薦め:★★★★★

桂伸一|モータージャーナリスト/レーシングドライバー
1982年より自動車雑誌編集部にてリポーター活動を開始。幼年期からの憧れだったレース活動を編集部時代に始め、「乗れて」「書ける」はもちろんのこと、読者の目線で見た誰にでもわかりやすいレポートを心掛けている。レーシングドライバーとしての戦績は、アストンマーティン・ワークスからニュルブルクリンク24時間レースに参戦。08年クラス優勝、09年クラス2位。10年は…!? レース直前にスポンサー絡みのドライバーに割り込まれて不参加。世知辛い世の中であります。

《桂伸一》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 狭い道! 制限1.9mだが何かがおかしい…東京都小金井市
  2. ポルシェ、新型『911カップ』発表…520馬力にパワーアップ
  3. マッスルカーにはやっぱりエンジン!新型『チャージャー』登場に「センス抜群!」「これなら日本でも」など反響
  4. 4億円オーバーのV12エンジン搭載「完全アナログ」なハイパーカー登場!
  5. 狭い道! 制限1.7m、昔からあったのが「42条2項道路」…東京都小金井市
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る