【Fニッポン 第1戦】近づく開幕…松田次生「連覇は僕だけに」

モータースポーツ/エンタメ モータースポーツ
3月26日の神宮外苑での全体発表会。選手代表で挨拶した松田次生。
3月26日の神宮外苑での全体発表会。選手代表で挨拶した松田次生。 全 6 枚 拡大写真

今週末(14〜15日)、現在のシリーズ名称での最終シーズンの開幕を迎える「全日本選手権フォーミュラ・ニッポン」。今年、3年ぶりのフル参戦となる2007&08年王者・松田次生が、完全復帰への経緯と意気込みを語ってくれた。

F1において史上初のチャンピオン6人が集結して沸いているが、Fニッポンにも今年は4人のチャンピオンが勢揃いする。昨年開幕時は王者経験者が1名のみだったので、都合4倍増。そのなかのひとりが、Fニッポンの歴史(1996年〜)で唯一の連覇達成者である松田だ。

ここ2年はフル参戦から遠ざかっていたが、年明け、連覇時の古巣で、SUPER GTでは現在も所属チームであるインパルの星野一義監督から連絡が入った。

「去年のFニッポンはトムスにやられたが、今年はとにかくチャンピオンを獲り戻したいんだ、ということを星野さんから言われました。僕とJP(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)がチーム内で競い合って、どちらかがドライバーズチャンピオンになるんだ、そしてチームチャンピオンも獲るぞ、とも言われたんです」。まさに闘将からの熱い期待である。

松田自身、一時はフォーミュラからは卒業かと考えていた時期もあったが、やはり極限スピードでの最高峰バトルの魅力には抗し難かったようで、今回の完全復活実現となった(09年王者ロイック・デュバルも今季復帰するが、似たような心境のようだ)。

「フォーミュラは、速い。そのトップのカテゴリーで走って、やっぱり松田は日本で一番速いんだ、ということをアピールしたい。星野さんや、今年の体制をつくってくれた人たちに、結果で恩返しをしたいですね」

松田のようなベテラン実力派の回帰は、シリーズにとってもいい要素だ。国内最高峰フォーミュラであることは間違いないながらも、正直、ここ数年は自動車メーカーのドライバー育成プログラム出身若手選手たちの最終関門、という雰囲気が強くなっていたFニッポン。もちろん、生きのいい若手の戦いも素晴らしいが、それだけではちょっと足りない……、と感じていたファンも少なくない。

今年は日本人ベテラン実力派と有力外国人勢の双方が選手層の厚みを増した。若手、ベテラン、そして外国人軍団と、この3勢力が伯仲してこそ、伝統の日本最高峰、そして来季からは新名称でアジア最高峰を目指すフォーミュラシリーズに相応しい戦況と言えよう。

松田、デュバル、オリベイラ(10年王者)、そして連覇を目指すアンドレ・ロッテラーと4人の王者が居並ぶが、松田は「僕自身がチャンピオンになることでアンドレの連覇を阻止したいですね。そうすれば、Fニッポンの歴史上、連覇したのは僕だけということになりますから」とも話す。完全復帰、即3度目の戴冠へ、すなわちFニッポンという名称での歴史を閉じるこのシリーズにおける自身の連覇という偉業を唯一無二のものとして完全確立---高い目標を掲げて、松田は邁進する。

今年は鈴鹿のレーススクール「SRS-F」で97年にともに学んだ“花の3期生”が、金石年弘の復帰、佐藤琢磨のシーズン終盤のスポット参戦により14年ぶりに3人全員が顔を合わせての対戦実現と、こちらの“勢揃い”も話題だ。「僕も楽しみにしていますよ。負けるわけにはいかない」と、松田も笑顔で闘志を燃やす。

注目の開幕戦、舞台は鈴鹿。4月14日予選、15日決勝の「SUZUKA 2&4 RACE」から、最後のFニッポン王座をかけた戦いが始まる。

《遠藤俊幸》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「本当に世に出るとは」わずか1トンの車体に800馬力V12を搭載、「超アナログ」なスーパーカーにSNS沸く
  2. 世界初、個人所有できるレベル4自動運転「ロボカー」誕生、2026年に納車開始
  3. 「スラントノーズ」のポルシェ911が現代風に蘇る…1000馬力の「プロジェクトF-26」発表
  4. クラッチ操作不要のホンダ「Eクラッチ」がレブルに搭載! SNSでは「運転マジ楽しい」「マジ助けられた」など高評価の声
  5. 2031馬力をMTで操る!? 世界に1台のハイパーカー『ヴェノムF5』が爆誕
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る