リース用モデルはすでに発売されていた『プリウス』のプラグインハイブリッド(PHV)が一般市販用として発売されることになった。
『プリウスPHV』は現行プリウスを元にバッテリーをリチウムイオンに変更。交流電源(100Vまたは200V)からの普通充電を可能にしている。リース用モデルのユーザーからよせられた意見を生かし、充電口にLED照明を追加するなど若干の仕様変更も施された。
充電による電気量で走れる距離は20km。200Vの場合は1.5時間、100Vなら3時間で充電完了。これで日本人の1日あたり走行距離の過半数をカバーできるという。
試乗コースは横浜・みなとみらいのホテルから首都高-アクアラインを通り木更津まで行き、木更津で約20kmを走行、ふたたびアクアライン-首都高で横浜に戻るというコースを設定した。
まずはハイブリッド走行でスタート。ホテルから首都高に向かうまでの燃費は18.5km/リットル。アクアラインを走っていると、燃費はグングン上がり26.8km/リットルまでになる。途中、フィーリングチェックのためにEVモードを選ぶ。プリウスPHVはEVモードで100km/hまで走行可能。高速道路でEVモードとしても、タイヤノイズや風切り音がジャマして、それほどEVっぽい感じはない。
アクアラインを下りてからはEVモードで走った。力強い発進は気持ちよく、違和感もない。アクセルペダルを床まで踏むと、EVモードは解除され、エンジンとモーターの両方で加速を行うことになる。
充電された電気をすっかり使い切った状態での燃費は32.2km/リットル。そのままアクアライン-首都高と乗って横浜に戻ったときの燃費は29.5km/リットルだった。
毎日、20kmまでの一般道走行をして通勤している人などにとっては、ほとんどガソリンを入れることなく電気のみで走れてしまうのはうれしい部分。しかも万が一充電切れとなってもエンジンで走ることができるのは安心。PHVは今の日本にもっともマッチするEV(ハイブリッド?)といえるだろう。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★
諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍。趣味は料理。