ホンダの岩村哲夫副社長は27日、ドイツの化学大手エボニック社の工場火災で自動車部品用の樹脂に使う原料の供給不足が懸念される問題について、「今のところ気にする必要はない」との見通しを示した。
火災が発生した工場は、燃料系やブレーキ部品に使わる樹脂材であるナイロン樹脂ポリアミド12(PA12)の製造に必要な化学物質シクロドデカトリエン(CDT)を生産していた。エボニック社はCDTの最大手。
岩村副社長は同日、本社で開いた決算会見後、一部報道陣に対し、「精査してみるとPA12は在庫が結構あるということと、PA12を使っている部品の90%近くが別の素材で代替できるということが、調査した結果わかった」ことを明らかにした。
さらに「一番クリティカルなフューエル系についても、もうすでに代替材を見つけているので、そういう意味では、東日本大震災、タイ洪水と続いてまたかという事態は、防げるだろうという確信は持っている」と述べた。