【BMW 3シリーズ 試乗】本当に気持ち良く走れるクルマ…松下宏

試乗記 輸入車
BMW3シリーズ
BMW3シリーズ 全 10 枚 拡大写真

2012年1月のフルモデルチェンジで登場した『3シリーズ』に試乗した。乗ったのは先行発売された「328iスポーツ」と「328iラグジュアリー」の2グレード。今回モデルにはデザインラインとしてほかにモダンの設定もある。

試乗した2モデルの違いは内外装のデザイン関係だけ。328i系であれば、基本メカニズムの部分はほぼ共通である。強いて言えばスポーツに設定されるパドルシフトがラグジュアリーにはないことくらいだ。

名前は328iだが搭載エンジンは直列4気筒2.0リットルで、最近のダウンサイジングの流れに乗ったもの。2.0リットルながらツインスクロールターボ仕様によって180kW/350N・mのパワー&トルクを発生する。この動力性能の数値からすれば、350iという名前が付けられてもおかしくないくらいの実力を持つ。

運転席に乗り込むとまさにBMWといった感じの空間が広がる。ドライバーオリエンテッドの内装デザインはBMWに共通するものだ。今回の3シリーズでは大きな液晶パネルが特徴となる。

ボディは全幅をきっちりと1800mmに抑えている。これは従来のモデルと同様、日本仕様専用の設定である。ホイールベースの延長によって後席の空間が広がっていて、後ろの席でも快適に過ごせる。

走り出しは滑らかそのもの。低速域から力強いトルクを発生し、それが細かく刻まれた8速ATと組み合わされているから、走りが滑らかになるのも当然だ。

350N・mという最大トルクは、1250回転から4800回転までの幅広い回転域で発生する。通常の走り方をするなら、街中から高速クルージングまで、ほとんどすべてのシーンを最大トルクを発生する領域で走らせることになる。

8速ATは、いま自分がどのギアを使って走っているかが分かりにくいのが難点といえば難点だが、そんなことを気にしなくても良いくらいにスムーズに走れる。

たっぷりのトルクと滑らかな変速フィールは、運転していて“いいクルマに乗っているな”と実感させるもの。 本当に気持ち良く走れるクルマだ。

今回から設けられたエコプロモードを選択して走れば、エンジン、トランスミッション、エアコンなどを燃費志向で最適に制御し、最大で20%ほど燃費を低減するという。やはり今回から採用されたスタート/ストップ機構(アイドリングストップ機構)と合わせて燃費向上のポイントだ。

価格はちょっと高めの水準にある。スポーツやラグジュアリー、モダンなどのデザインラインは586万円で、ベースグレードでも570万円と500万円台後半の水準にあるから、簡単には手がでない。

4月に追加された320i系には、はっきりと割安感のある価格が設定されているので、売れるのは320i系になるだろう。

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 21車種・64万台超、トヨタ自動車の大規模リコールに注目集まる…7月掲載のリコール記事ランキング
  2. 「衝撃の価格」中国メーカーの大型3列シートSUVが話題に!「むしろ経営が心配」の声も
  3. 「復活まじうれし!」「全色欲しい」新型スズキ『GSX-R1000』発表に、SNSは話題沸騰!
  4. トヨタ「クラウン」「アルファード」など21車種、64万台超の大規模リコール[新聞ウォッチ]
  5. 約10万円で200km以上走るEVバイク登場に「現実的な選択肢」、ベトナムから日本上陸に期待の声
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
ランキングをもっと見る