いすゞ自動車の細井行社長は10日の決算発表会見で、株主への配当方針を聴かれたのに対し「当社は過去30年安定した配当をしたこともないし、あまり考えていない」と述べた。
いすゞは同日、今期(2013年3月期)の連結営業利益が5年ぶりに過去最高を更新する業績見通しを示し、配当については前期の年6円を8円に増配する予想とした。
ただ、今期の予想連結配当性向は16.7%と決して高くないことから、配当への考え方を質された。細井社長は「今回、年8円にしたので、その範囲で考えていただきたい」としたうえで、質問者に「慣れていないということで勘弁していただけませんか」と述べた。
細井社長は07年6月の就任で、間もなく丸5年を迎える。日本のトラック専業最大手トップの配当に対する認識がこの程度とは、株主も聞いて唖然といったところだろう。