全長5m超にして全幅2m。車両重量も2tを超えるというそんなフルサイズのアメリカンSUVを、2リッターの4気筒ユニットで走らせるという“驚愕のスペック”の持ち主は、しかしDレンジを選択してアクセルペダルに軽く力を加えると、意外にも静かにスムーズにスルスルと走り始める。
かくして、「実用上は不足がない」と言えばそれは当たっているのだが、一方で時に6速と5速、あるいは5速と4速の間をせわしなく変速するなど、かつてなくパワーユニットが忙しく働いていると思わせる『エクスプローラー』である事もまた確か。これで、変速レンジが広くステップ比は小さい8速ATあたりとの組み合わせが実現すればまた印象は変わりそうだが、現状ではどうしても“ゆとりが少ない感”が付いて回る。
また、中立部分の据わり感がやや乏しい上で、操作をすると急激に舵の効きが立ち上がるステアリング・フィールもやや気になった。エクスプローラーって、こんなだっけ?
それはそうと、まずは右ハンドル仕様が用意されないと、日本では“普通のクルマ”としてセールスをする土俵には上がれない。“市場開放”についてあれこれ言うのは「それから」だ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★
河村康彦|モータージャーナリスト
1985年よりフリーランス活動を開始。自動車専門誌を中心に健筆を振るっているモータージャーナリスト。ワールド・カーオブザイヤー選考委員、インターナショナル・エンジンオブザイヤー選考委員。