目の前に現れた『6シリーズ グランクーペ』は確かに美しいと思えた。クーペやカブリオレの持つスタイリッシュなイメージをそのままに、しっかり4つのドアが備わっている。感心したのはそれが至極自然だということ。もしかしたらずっと前から存在していたのかと思えるくらいナチュラルだった。
そんな仕上がりだけに、走り出してもスッとカラダに入ってくる。
試乗したのは「640i」でお馴染みの3リットル直6ターボということもあり、違和感など微塵もない。いい意味で「毎度!」である。
それじゃホイールベースが長くなった分乗り心地が劇的によくなっているかといえば、そうでもない。こちらもいい意味でBMW“らしく”していて、適度な固さが残る。リアシートの住人がそれをどうとらえるかは別だが、ドライバーには満足な仕上がりといえるだろう。
そのリアシートの居住性はというと、スペースは思いのほかある。気になるヘッドクリアランスも問題ないだろう。北米あたりのマーケットを狙うだけに、その辺はかなり吟味されている。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
九島辰也|モータージャーナリスト
外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。『Car EX』副編集長、『アメリカンSUV』編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌『LEON』副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの“サーフ&ターフ”。東京・自由が丘出身。