試乗していて、このクルマほど質問責めにあったのも最近珍しい。
サービスエリアで、ガソリンスタンドで、コンビニ駐車場で、「なんていうクルマ?」「カッコいいですね!」と何度も話し掛けられた。
ドアを開けて座らせると、テンションはさらに上昇する。素材と配色と巧みな造形は、ロンドンやニューヨークの最新のホテルやレストランにいるみたいだ。運転姿勢と視界に優れているのは兄貴たち(『レンジローバー』や『ディスカバリー』など)譲り。後席も十分以上に広く、荷室もたっぷり。走らせれば、つねに細かな上下動が耐えないが、キレが良く、コーナーは径の大小にかかわらず懐深く曲がっていく。
乗り心地は硬め。兄貴たちのような悪路走破性を備えているかどうかはわからないが、地球の果てまで走っていこうなどと考えない限り、これで十分だろう。それよりも、カタチの鮮やかさとインテリアの魅力で選んで間違いはない。機能よりもデザインとキャラクターで選ぶ時代になったのだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア・居住性:★★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★
金子浩久|モータリングライター
1961年、東京生まれ。主な著書に、『10年10万キロストーリー 1〜4』 『セナと日本人』『地球自動車旅行』『ニッポン・ミニ・ストーリー』『レクサスのジレンマ』『力説自動車』(共著)など。