宇宙船ドラゴン、ISSドッキング成功

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ロボットアームでドラゴンを捕捉
ロボットアームでドラゴンを捕捉 全 4 枚 拡大写真

 米NASAは25日(現地時間)、民間企業であるSpaceX社の開発したドラゴン宇宙船が国際宇宙ステーション(ISS)にドッキングしたと発表した。国家だけが宇宙に進出した時代から、宇宙開発は民間企業による時代へとさしかかっている。

 22日に米フロリダ州のケープカナベラル空軍基地から打ち上げられたドラゴン宇宙船は、軌道上でさまざまなテストを繰り返しながらISSにゆっくりと接近、東部標準時25日午前10時ごろにISSのロボットアームがドラゴンと接続した。このボッキング方法は日本の「こうのとり」のドッキングと同じ方法だ。

 ロボットアームはドラゴンをISSに引き寄せ、12時2分、ついに歴史的なドッキングが成功した。ドラゴンは6000キロの輸送能力があるが、今回はテストのためほとんど荷物を搭載していない。しかし、食料や日用品、学生が提案した実験を行う装置など521キロが搭載されており、これからISSのクルーがドラゴンの船内に入り、これらの荷物を運び入れる。

 ドラゴンはISSに2週間に渡って接続され、そのあと帰還用の荷物を搭載してISSを離れ、太平洋上に着水して地球に帰還する。宇宙飛行では発射後の数分と帰還時が最も困難となれているが、ドラゴンはISSに接近しないテスト飛行ですでに宇宙からの帰還を成功させた実績がある。今回のテストでも成功すれば、ISSにドッキングした宇宙船としてはスペースシャトル、ソユーズについて3番目となる。

 かつて、宇宙開発は国家でなければ成し得ない領域だった。しかし、このところ民間企業の躍進が著しい。米国ではスペースシップワン宇宙船が民間の宇宙船として初めて有人宇宙飛行を成功させ、これを元に宇宙観光旅行用の宇宙船も開発中だ。

 日本のH2Aロケットは宇宙航空研究開発機構 (JAXA)と三菱重工が開発したが、現在はH2Aの製造、打ち上げ、搭載する衛星の受注、H2Aの改良や開発まですべて民間企業である三菱重工に移管されている。このような商業打ち上げでは、ヨーロッパの民間企業であるスペースアリアン社がすでに豊富な実績を積み重ねている。

 このように宇宙は民間企業でも手の届く場所となってきた。ドラゴン宇宙船の成功はそうした流れを象徴するものといえる。

ドラゴン宇宙船がISSにドッキング成功、宇宙開発も民間の時代に

《山田 正昭@RBB TODAY》

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