【BMW 6シリーズ グランクーペ 試乗】すべて素晴らしいことが欠点…諸星陽一

試乗記 輸入車
BMW 6シリーズ グランクーペ
BMW 6シリーズ グランクーペ 全 10 枚 拡大写真

BMWの『6シリーズ』は、クーペやカブリオレなど2ドアボディのみがラインアップされるシリーズであった。その6シリーズに突然、降ってわいたように4ドアモデルが登場した。なぜ? である。

【画像全10枚】

答えは明確。4ドアのほうが使い勝手がいいからだ。だったら5シリーズがあるじゃないか? ごもっともな意見だが、5シリーズは質実剛健なセダンボディ。もっともっとスタイリッシュなスタイルの4ドアを欲しがる層は意外と多い。ベンツに『CLS』があり、ワーゲンに『パサートCC』があるのに、BMWにはなかった。そこでこのグランクーペの登場となったわけだ。

試乗をおこなったのは320馬力の直6ツイン・スクロール・ターボエンジンを積む640i。ターボは、大小のタービンを使うシーケンシャルタイプではなく、3気筒に1つずつタービンを装着するタイプ。言われてみれば低速からしっかりとしたトルクがあり、ターボらしさもあるのだが、安定してフラットなトルク感はターボで過給されているような印象が薄い。速さという面で言えば、必要十分以上。アクセル操作に対するエンジンの反応のよさも申し分ない。

組み合わされているミッションは8速AT。マニュアル操作時の変速レスポンスもダイレクト感が高く、エンジンとのマッチングがいい。

足まわりはしっかりとしていて、スポーティにコーナリングをこなす。また、ゆっくりと流しているとき(とはいえ周囲のクルマよりはハイペースだが)のゆったり感もよく、ラグジュアリー性にもあふれている。ただ、ランフラットタイヤのあたりの強さはもう少し弱めてもらいたい感じがする。

リヤシートに乗り込むと、広々としていてくつろげる空間がある。これは2ドア車では到底味わえないもの。トランクスルーも備えるラゲッジスペースを持ち、実用性もかなり高い。

さてスタイル、動力性能、シャシー性能、ラグジュアリー性、実用性…じつに多彩な性能がバランスよく1台のクルマに融合されている。これは果たしていいことなのだろうか? 低価格の大衆車なら大歓迎の性能だが、1000万円前後の価格設定がおこなわれている高級モデルは、もっと絞られた性能に魅力を感じるのが、クルマ好きってもんじゃないだろうか。

5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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