トヨタ『プリウスPHV』の最も大きな特長は、満充電しておけば26.4kmのEV走行ができるところである。
その分の電気を使い切ると、自動的にHV走行に切り替わる。HV走行では、エンジンとモーターの組み合わせをキメ細かく切り替えながら走る点はこれまでのプリウスHVと変わらない。
都内を10km弱走ったのちに首都高速に乗り、横浜を往復して自宅に戻ってきた。翌日に備えて充電しようとメーターを確認したら、約7割も蓄電されていて驚いた。
「コンセントにつながなくても済むじゃないか!」
賢いプリウスPHVが、僕に内緒で“ヘソクリ”として貯めておいた電気を差し出してくれたのだ。もう感謝の気持ちで一杯だ。
そのようにしていたら、数日間の保有で、結局自宅や出先でコンセントをつないで充電することが一度もなかった。充電する気も起きなかったというのが正確なところだ。
なぜならば、走れば自動的に回生して充電が行われるからだ。
プリウスPHVの頭脳であるコンピュータはとても賢く、走行状況や運転などに合わせて充放電と駆動をキメ細かく切り替える一方で回生しながら、コツコツと電気を貯めておいてくれるのである。
ドライバーはほぼ何も意識することなく運転していれば充電を済ませてくれるのだ。最初のうちは珍しがってエネルギーモニターを見ながら充電状況を確認していたのだが、途中から見なくなった。
街中をEVとしてだけ走る放電一方の運転でない限り、つまり長距離を移動すれば(ほぼイコール高速道路などの自動車専用道を走れば)、回生して充電してくれることが体得できたからだ。