文科省、子どもの体力向上取組ハンドブックを作成

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37校の取組事例
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 文部科学省は7月19日、「子どもの体力向上のための取組ハンドブック」を公表した。全国体力調査から、運動する子どもとしない子どもの体力水準の二極化や、生活習慣と体力の関係について明らかになった。

 同省では、全国的な子どもの体力の状況について詳細な把握・分析を行うため、2008年度より全国の小学校5年生と中学校2年生を対象に「全国体力調査」を実施してきた。これまでの3年間の調査結果をまとめ、子どもの体力向上を目的としたハンドブックを作成し、各教育委員会を通じて全国の小中学校に配布している。

 全国体力調査から、運動する子どもとしない子どもの体力水準が二極化していることがわかった。特に中学生は、男女とも運動やスポーツの実施時間が1週間に60分未満の生徒の割合が最も多く、男子では9.3%、女子では全体の1/3に近い31.1%が1日に平均して10分足らずしか体を動かしていないという実態が明らかになった。

 睡眠時間と体力の関係について、睡眠時間が「6時間未満」「6~8時間」「8時間以上」の3群で体力合計点を比較すると、小学生では男女とも「8時間以上」の群の体力合計点が高く、睡眠時間が短くなるほど体力合計点が低かった。中学生では、3群で大きな差はないが、中間の「6~8時間」群が体力合計点の高かった。

 朝食の摂取状況と体力の関係について、朝食を「毎日食べる」「時々食べない」「毎日食べない」の3群で体力合計点を比較すると、小中学生の男女すべてにおいて「毎日食べる」群がもっとも体力合計点が高く、次いで「時々食べない」「毎日食べない」の順だった。

 テレビの視聴時間でも同様で、視聴時間が長くなると、体力合計点が低くなっている。適切な睡眠、朝食の摂取、テレビの視聴という生活習慣の確立が、体力の向上にもつながるといえる。

 同ハンドブックでは、子どもの体力向上のため、全国の小学校と中学校、特別支援学校の合わせて37校の取組事例を紹介している。一例を挙げると、千葉県いすみ市立東小学校では、授業内容を発展させて週3日の業間時にチャレンジタイムとして運動遊びのサーキットを実施し、毎日運動する児童の割合が増加するという成果を生み出している。また、石川県中能登町立鳥屋中学校では、保護者・教員・生徒が一緒に活動する行事を平日の夜に開催することで、運動時間の増加につながっている。

 生活習慣改善の取組みとして、北海道鶴居村立下幌呂小学校では、長期の休み明けに「生活リズムチャレンジ週間」を設けて、生活習慣チェックシートに記入させ、保健便りなどを活用して改善に役立てている。

 子どもの体力向上のためには、子どもだけでなく保護者や地域を巻き込み、地域住民や専門家など多くの人材の協力体制を確立し、学校教育活動全般と関連付けながら推進することが重要であるという。

文科省「子どもの体力向上のための取組ハンドブック」作成…37校の取組事例を紹介

《工藤 めぐみ》

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