【マップルナビS インプレ後編】700円の利用制限なし、ナビを必要としなかった人でも持っていて損はない

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キャンバスマップル マップルナビS
キャンバスマップル マップルナビS 全 12 枚 拡大写真

わずか700円で利用可能になるiPhone用ナビアプリ「マップルナビS」がキャンバスマップルから登場した。本アプリは通信機能を利用しなくても使えるスタンドアローン型で、通信状態に左右されない安定した利用ができるほか、同社が配信するガイドブックとの連携機能も備える。

◆スクロールや検索スピードの面で有利なダウンロード型

このアプリは、カーナビに対する組み込みアプリの提供を主力事業としてきたキャンバスマップルがコンシューマ向けに提供する初のカーナビアプリ。App Storeでダウンロードでき、価格は1400円としているが、現在は半額の700円で提供中(当初7月13日までのキャンペーン価格だったが、7月31日まで延長中)。これは数ある有料スマホ用ナビアプリでもっとも安い! 購入すると、2014年春まで年2回の地図更新サービスが無料で利用でき、さらに2年を過ぎても更新料なしで継続して使い続けられる。

スタンドアローン型であるため、利用するにはまずすべて(約1.76GB)を一括してダウンロードする必要がある。そのため、インストール時の空き容量は4GBが必要となり、ダウンロードはPC接続かWi-Fiの環境下で行うことが求められる。しかし、一度ダウンロードしてしまえばオフラインでも利用可能となり、通信状況が悪い山間部などでも力を発揮できるメリットが出てくる。また、地図データをその都度ダウンロードする必要がないため、検索や地図のスクロールなど動作面でも有利となるのもメリットだ。

◆スポット情報は最新、昭文社おなじみのカラフル地図表示

ナビ機能では最新の地図データを収録し、新東名高速道にも対応した。現データでは通行料金やSA/PAの詳細情報までは対応できていないが、ルートガイドは可能になっている。検索能力は十分なほど高く、住所や電話番号、ジャンルなどを使った全国の詳細な検索データを収録。市街地図は全国1451市区町村が対象としている。さらに、同社が用意する電子旅行ガイドブック「まっぷる」「ことりっぷ」との連携を実現しているのも大きな特徴となる。

起動するとカラフルな色彩の地図が表示される。道路の種別は色分けされ、ガソリンスタンドやコンビニといった企業アイコンも地図上に表示。さらに著名な施設は3Dアイコンとして別に表示される。方位計を押すとノースアップ/ヘディングアップを切り換えられ、左列の「+」「-」では地図のスケールチェンジが行える。さらにすぐ右隣にはGPS信号の受信状態を示すアイコンもある。このアプリで大きな特徴となる電子旅行ガイドブックとの連携は右下の「BOOK」と表示されている部分を押し、別メニューで使う仕組みだ。

◆奇をてらわないユーザーインターフェース

カーナビアプリとしてはベーシックなインターフェイスを持つ。メニューを開くと、多くのカーナビで見慣れたアイコンが並び、「検索」を押せばこれまたお馴染みの検索メニューへと切り替わる。用意された検索カテゴリーは、住所や電話番号、50音検索が行えるフリーワード、ジャンル、周辺検索など。昭文社の旅行ガイドブック「まっぷる」とリンクできる「まっぷるコード」にも対応している。また、メインメニューには「履歴」も用意され、過去に目的地として設定した施設を呼び出すのも簡単だ。

各種設定は想像以上に多彩だ。「地図設定」では昭文社が積み重ねてきた「ぬけみち」表示をはじめ、コンビニやガソリンスタンド等のアイコン表示、有名施設の3Dランドマーク表示のON/OFFが可能。「案内設定」では交差点拡大図やハイウェイモード、JCTやSA/PAの表示等についてON/OFFができる。ETC車載器と連動するわけもないが、レーンガイドも行うようになっている。また、高速道路走行中は、各SA/PAの詳細な施設配置図を表示。トイレの位置なども把握できるので、都合の良い位置に駐車できたりもする。

◆快適な動作に驚き

使ってみて驚くのはその快適な動作だ。検索メニューは入力に対してスピーディに追従するし、地図のスケール切り替えもストレスを全く感じないで済む。地図のスクロールはフリック操作でスムーズそのもので、地図を思い通りの位置に移動させられる。複数ルート探索を一画面で表示することはできないが、東京~大阪間を数秒でルート探索するのも良い。ルートを外れた時の再探索はやや間を置いて行われるが、これはGPSによる誤差に対するマージンを取ったためではないかと思われる。また、道路の高低差についても認識はできていない。

ルート案内中のガイド機能は、スマホアプリとして考えれば十分すぎる内容と言ってイイ。限られた画面サイズの中でウィンドウ表示を上手に使って情報を伝え、交差点拡大図や高速道路の分岐点JCTでも状況の把握がしやすい。複数車線のある道路では推奨レーンガイドまで行う。音声ガイドは交差点名を読み上げ、合流や踏切案内のON/OFFもできるなど、内容はかなり実用的だ。案内のタイミングも自然で、車線移動もスムーズに行うことができたのも評価してイイ部分だ。

地図上に表示する文字サイズは「普通」「でっか字」「もっとでっか字」の3種類から選べる。「もっとでっか字」にすれば小さめのiPhone画面でもかなり見やすくなる。ただ、市街地図で表示する家形図は商業ビルなど主要な建物のみが対象で、一般家屋は表示しない。地図色は昼夜を自動的に切り換える「オート」の他、昼・夜・外(屋外での利用に適した配色や明るさ)の全4種類を用意した。 一方、信号機のある各交差点には信号機のアイコンが記載され、一方通行は市街地図ではない50mスケールより詳細な地図で表示。また、コンビニなどの必要なアイコンを常時表示にも対応している。

◆VICS非対応の穴は「ぬけみち」で対応

このアプリで気になるのは、交通情報提供元として一般的なVICSに対応していないことだろう。渋滞に遭遇したらどうする?といった不安もよぎる。そこで役に立つのが「ぬけみち」案内機能だ。昭文社の「ぬけみちガイド」として永年の実績を積んできたもので、その情報源はタクシーなどプロドライバー達。渋滞に遭遇したら、水色の点滅で表示されている「ぬけみち」を辿って行けばいいのだ。データは全国47都道府県にまたがっているのも心強い。

このアプリの良いところは、iPhoneを介してごく身近な価格で本格的なカーナビ機能が使えるようになること。急なドライブでカー用品店に行っている時間もない。出掛けた先で予定外の運転が必要になった、といった時でもその能力は十分役に立つレベルにある。これまでカーナビを必要としなかった人でも、「これなら持っていて損はない」そう思わせるのに十分なアプリと言ってイイだろう。

《会田肇》

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