【ホンダN BOX 発売】四角い輪切りはこのクルマの命

自動車 ビジネス 国内マーケット
ホンダ・N BOX
ホンダ・N BOX 全 6 枚 拡大写真

ホンダ『N BOX』のフロントウインドウは大きなカーブを描いている。

その理由について、本田技術研究所デザイン開発室1スタジオ主任研究員の濵野剛男さんは、「基本がキュービックのクルマなので普通に作ると、いわゆる商用バン『アクティ』になってしまうのです」という。N BOXのデザインコンセプトは、ミニバンよりさらに小さい“ミニミニバン”であり、乗用車だ。「ピラーは立てざるを得なかったので、上から見たガラスはなるべく丸くしようと、ルーフも含めて丸く作りました」と話す。

また、フェンダーの先なども丸みを帯びたデザインとなっている。「親しみのわくような、家族の一員として一家にきちんと受け入れてもらえるミニバンとしました」と濵野さん。

「奥様達がこのクルマを見た時にデザイン面で不満や怖さを感じては駄目なのです。そこで、曲面を使って親しみを出しました」。しかし、「クルマを輪切りにすると本当に四角いです。これ以上四角いクルマがないくらい。このことを実現するためにサイドウインドウはホンダの中で一番ガラスが立っているのではないかな」と笑う。

しかし、このために様々な弊害が出た。「ここまでガラスを立てると、メーターの光がサイドウインドウに写り込んでしまったのです。これにはびっくりしましたし、初めての経験です」。通常はもっとサイドウインドウは傾いているのでそういうことは起こらなかったのだ。そこで、「メーターの位置をもう一度見直すなどありとあらゆることを行いました」とし、ウインドウの角度などを見直さなかったのは、「この四角い輪切りはこのクルマの命だからです」とした。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  2. トヨタ RAV4 新型、PHEVのEV航続は150km
  3. 日産の新型セダン『N7』、発売50日で受注2万台を突破
  4. スバルマークの方が似合う? 新型ダイハツ『ムーヴ』のスバル版にSNSも注目!
  5. 【ダイハツ ムーヴ 新型】「ポッキー入れ」にイルミネーション、軽自動車でも質感を“あきらめさせない”インテリアとは
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  4. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  5. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
ランキングをもっと見る