【GARMIN nuvi2582R インプレ前編】ドラレコ搭載、PNDの新たな可能性を感じさせる意欲作

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GARMIN nuvi 2582R
GARMIN nuvi 2582R 全 12 枚 拡大写真

積極的な新製品攻勢を展開しているGARMIN(ガーミン)のPND「nuvi」(ヌヴィ)シリーズ。

先頃ソニーがPNDからの撤退を発表するなど、スマートフォンに押されてPND全体が勢いを失いつつあるが、GARMINはGPSのトップブランドとしてPNDの可能性を追求した製品造りで頑張っている。そして、その最新モデル「nuvi2582R」ではドライブレコーダーを組み合わせるという力技に打って出た。

◆専用ハードウェアを追加して、本格的なドライブレコーダー機能を実現

「nuvi2582R」の最大の特徴は、いうまでもなくドライブレコーダー機能を追加したことだ。というより、本格的なドライブレコーダーとPNDを合体させたといった方がいい。力技というか、飛び道具というか、とにかく大胆なコンセプトの新製品だ。

今やPNDのライバルがスマートフォンとなっているのは疑う余地もないが、その対抗策として本機はドライブレコーダーを追加してきた、という見方もできるだろう。スマートフォンもドライブレコーダーとして使うことが可能だが、試しに使って見る程度はできても、常用するには無理がある。

専用ハードウエアが必要となる機能でスマートフォンと差をつけようというのは理にかなっている。また、カーナビとしての機能がPNDでもスマートフォンでも十分以上のレベルに達した今、差別化を図る手段はこうした付加価値の部分にならざるを得ないともいえる。

では、まず本機の概要を確認しておこう。今やかなり知名度が上がってきたので説明するまでもないかもしれないが、メーカーのGARMINはアメリカのGPSデバイスの総合メーカーだ。登山などに使うアウトドア用GPSから、自転車用のGPS搭載サイクルコンピュータ、ジョギング用のGPS搭載ランニングウォッチなどを数多く開発、販売し、しかもこれらの製品のシェアはいずれも世界で1、2を争っている。

カーナビについては、PNDの黎明期からいちはやくnuviシリーズを投入し、アメリカだけでなく世界で、そして日本でも市場を開拓してきた。家電王国である日本の市場に参入した外国企業はティファールやダイソンなど数えるほどしかないが、家電の中でも特に日本が得意とするデジタル家電の分野でアメリカの企業が参入に成功していることは特筆に値する。

nuviシリーズはこれまでに数多くの製品がラインナップされ、中には日本でもかなりの人気モデルとなったものもあった。シンプルであることを信条とするのがnuviシリーズの変わらぬコンセプトだが、その一方でワンセグ機能を追加するなど日本市場に合わせた商品展開も積極的に行っている。

さらに、PND初のバックカメラ対応モデルや他に例のない超薄型モデルを発売するなど、時にあっと驚くような新製品を放つのもnuviシリーズの伝統だ。ドライブレコーダーを搭載した本機もその流れの最新作といえる。

ドライブレコーダーはハイエンドモデルに匹敵するスペック。取り付けはナビの見やすさとの兼ね合いで決める

順序としてはカーナビとしての機能を先に紹介するべきかもしれないが、ここはやはり気になるドライブレコーダーからチェックしていこう。

本機には「GDR20」というドライブレコーダーが同梱されている。その車両への固定はnuviシリーズ共通のクレードルにアームを追加して取り付け、ナビ本体とケーブルで接続して電源の供給、データのやりとりをする。ボディこそ別々だが、システムとしては完全に独立しているわけではなく、映像のモニターと各種設定、操作はナビ本体がなければできない。

GDR20のハードウエアスペックを紹介しておくと、大きさは縦、横、厚さとも約45ミリほどの大きさで、重さは52.3グラム。特に小さくはないが、ものものしい雰囲気でもない。CMOSセンサーはHD(1280×720画素)の撮影が可能で、レンズはF2.0と非常に明るい。最大32GBのカードに対応するMicroSDHCスロットを備え、本体には8GBのカードも付属している。さらに、Gセンサーも内蔵している。

単体で販売されているドライブレコーダーは非常に低価格化が進んでいるが、これだけのスペックのもので、しかもGPSも使えるモデルとなると、かなりのハイエンドモデルに限られる。単なるおまけ機能ではない、非常に贅沢なドライブレコーダーが付属しているといっていいだろう。

実際に使ってみながら、機能や操作方法などを紹介していこう。まず取り付けだが、前述のようにナビ本体のクレードルを利用するので基本的にはまったく問題ない。ただ、カーナビとして使いやすい位置、ダッシュボードの手前の方に取り付けると、カメラの映像の下半分はダッシュボードということになりかねない。カメラの映像はディスプレイに映し出せるので、それを見ながら位置決めをする必要がある。

ドライブレコーダー本体の取り付けであれば、なるべく上からのアングルがいいので、フロントガラス上部にマウントの吸盤を貼り付けるとちょうど具合がいい。この位置でもナビの見やすさは問題ないし、ダッシュボードへの取り付けより手間がなくていいのだが、この位置への取付は厳密には違法となってしまうので注意が必要だ。

そこで、別売オプションとして延長ケーブルが用意されている。このケーブルにはGDR20を単体でマウントできる吸盤付きのクレードルも同梱されており、GDR20はウインドウ上部、ナビ本体はダッシュボード上に設置することが可能だ。

《山田正昭》

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