東芝、レアアースのジスプロシウムを使用しないモーター用磁石を開発

自動車 ニューモデル 新型車
ハイブリッド車のモーター用磁石などにレアアースが使用されている
ハイブリッド車のモーター用磁石などにレアアースが使用されている 全 2 枚 拡大写真

東芝は、レアアースの中でも特に希少な、ジスプロシウムを一切使用しないモーター用の高鉄濃度サマリウム・コバルト磁石を開発したと発表した。

耐熱性が要求される自動車・鉄道車両の駆動モーターや産業用モーターは、磁力の高いネオジムの一部をジスプロシウムで置き換えた耐熱型ネオジム磁石が一般的に使用されている。しかし、ジスプロシウムの鉱山が地球上の一部地域に集中しているため、昨今、価格高騰や輸出規制が課題となっており、ジスプロシウムを使用しなくても実使用温度域(100度以上)で高い磁力をもつ高性能磁石の開発が望まれていた。

今回同社は、ネオジム磁石に比べ磁力が劣るサマリウム・コバルト磁石に、独自の熱処理技術を適用し、100度以上のモーターの実使用温度域では耐熱型ネオジム磁石と同等以上の磁力をもつ高鉄濃度サマリウム・コバルト磁石を開発。磁力を増大させるために鉄の配合量を従来の15%から20〜25%(重量比)に増やした後に、焼結時の温度、時間、圧力の最適化などの熱処理条件を工夫することで、磁力の阻害要因となっていた酸化物や高銅濃度異相を低減させた。

また、開発品を搭載したモーターは、耐熱型ネオジム磁石を搭載したモーターと同じサイズで、同等の性能があることも確認しており、自動車・鉄道車両・工作機械・エレベータなどで使用される耐熱性が高く、高性能かつ小型であることが求められるモーターに適している。

今回開発したジスプロシウムを一切使用しない高鉄濃度サマリウム・コバルト磁石について、同社は2012年度末の市場投入を目指すとしている。

《纐纈敏也@DAYS》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. トヨタ『ハリアー』6年ぶりのフルモデルチェンジへ…注目ニュースベスト5 2025年上期
  2. エアレスタイヤ搭載でペダルもなし、免許不要の特定小型原付「Future smart」発売
  3. トヨタ『ハリアー』6年ぶりのフルモデルチェンジへ...ワイド&ローのフォルムに注目だ!
  4. 日産の高級部門インフィニティ、3台の新型コンセプトカーを世界初公開へ…モントレーカーウィーク2025
  5. そのホイール、何年使ってる? 知られざるアルミホイールの寿命と見極め術~カスタムHOW TO~
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る