マツダは8月29日、ロシアで開幕するモスクワモーターショー12において、新型『マツダ6セダン』(日本名:『アテンザセダン』)を初公開する。高効率なパッケージと、高いクオリティにも注目だ。
新型は、さまざまなシーンを歓びと心地良さで満たすパッケージを追求。魂動デザインを具現化した躍動的なフォルムの中に、十分なスペースと心地良い居住空間を両立した。その上で、ドライバーが安心して運転に集中でき、見て、触れて、操作するたびに走りへの期待が高まる、一体感に満ちた運転環境を目指している。
現行型比で105mm伸び、2830mm となったロングホイールベースにより、後席スペースのゆとりが拡大。後席は、クラストップレベルのニークリアランスは87mm(現行比で43mm拡大)、レッグスペースは984mm(同37mm拡大)とし、ゆったり感のある後席空間とした。さらに、シートクッション長を20mm、リアシートのシートバック長を33mm、センターアームレストを60mm 拡大させた。
前席は、ゆったりと着座できるようショルダールームを20mm拡大して1450mmに。さらに、ドライバーのふくらはぎが接しても角を感じないように、コンソール側面に大きなコーナーRを設けている。
トランクについては、人間工学的な観点から設計。トランク上部の開口幅を現行比で32mm拡大。出し入れ性を向上するとともに、トランクヒンジをスワンヒンジとすることで、スムーズな開閉を可能にした。
コックピット環境では、きめ細かいドライビングポジション調節を可能とするフロントシートと、チルト&テレスコピック調節機能を装備。オーディオやナビシステムなど、センターディスプレイに表示されるほぼ全ての機能を手元でスムーズに操作できるマルチコマンダーを採用。メーターパネル内の 3.5インチのマルチインフォメーションディスプレイ(MID)にはドライブマネジメント情報を、センターパネルの5インチディスプレイにナビゲーション情報を表示。領域によって表示を配分し、視認操作性を向上させる。
また運転席側は、メーターフードに3連メーターを左右対称に配置し、ドライバーオリエンテッドな奥行のあるコックピットを演出。助手席側は、センターパネルの空調ルーバーまでを囲んだ加飾パネルによる水平方向ののびやかな広がりと、立体的で包み込むようなインストルメントパネルの造形により、開放感と安心感を両立させた。
インストルメントパネルアッパー部や、ドアトリム上部など、手に触れやすい部分にはソフト素材を採用。インストルメントパネルには、ボルドーメタルとダークメタルの2 色の立体的な加飾パネルを設定。メーターは、文字盤面に精緻なスピンドル加工と深く光るハニカム加工を、外周に金属リングと白色の立体目盛りを配置し、味わい深くエンスージアスティックなデザインを作り出す。
「クラフトマンシップ」をテーマに、走る歓びへの期待感を高めるクオリティも追求。各部品の造形テイストやデザインモチーフ、表面処理のシボや艶に至るまで、一貫した考え方で造り込んだ。
具体的には、インストルメントパネル全体のデザインを横基調で統一し、インストルメントパネルアッパー部とドアトリムをスムーズに連続させることで、キャビンに乗り込んだ時に感じられるすっきりとした印象を実現。サテンクロームメッキなどの金属調の加飾には、本物の金属のような輝きと形を表現。ドライバーが常に操作するステアリングホイールやシフトノブ、パーキングブレーキレバーなどのデザインは、握った時の触感を滑らかにするとともに、どこを触れても統一した触感を感じられるように配慮した。マツダによると、見て触れる部分の精緻な造り込みだけでなく、操作感や操作音なども各部で統一感のあるものにしたという。
新型アテンザの玉谷 聡チーフデザイナーは、「インテリア造形は、エクステリア同様にスピード感を表現。黒素材を基調とした粋なデザインとコーディネーションを織り込み、素材の質感にもこだわった、いつまでも飽きのこない上質なデザイン」と語っている。