iPhone 5、KDDIかソフトバンクか…両社の戦略を分析

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 9月12日深夜に「iPhone 5」が発表されてから昨日の予約開始までの2日間、国内の携帯関連ニュースは慌ただしいものとなった。その理由のひとつとなるのが、iPhone 5で新たに追加された高速通信機能「LTE」だ。iPhone 5の販売を行うKDDI(au)、ソフトバンクの各社は、端末の発売日同日の9月21日にLTEサービスを開始すると発表している。

 アップルの発表をうけて最初に動いたのはKDDI。14日、報道関係者を対象とした記者会見を都内で開催し。同社のLTEサービス展開も含めた説明を行った。

■ LTEの速度面ではauが有利か?

 LTE機能については両社とも2GHz帯のFDD-LTE方式を採用する。iPhone 5の仕様を受けての、サービスインという格好だ。仕様面では同じながら、キャリアによって使われ方が異なってくる。たとえばKDDIでは、2GHz帯のFDD-LTEをiPhone専用に使うという。同社には他にもAndroid OSを搭載したLTE対応端末が予定されているが、こちらは800、1.5GHz帯LTEを使用する予定。iPhoneユーザーだけが2GHz帯LTEを使うことで、スピードの低下を防ぐ目論見だ。

 iPhone 4S発売の際、KDDI・沖縄セルラーの販売する端末は、サイトを開くまでの時間が他より短いなど速度面に関する評価が高かった。これを意識しての施策といえるのかもしれない。

■ 国内版のiPhoneではじめて「テザリング」が付く

 au版のiPhoneに限った話だが、インターネット回線をWi-Fiで共有できる「テザリング」機能が付けられた。iPhone 4Sまでは、スマートフォンの利用者増で帯域が逼迫されていた3G網のみとなっていたので、通信量が必然的に多くなるテザリングは封殺されていた。iPhone 5で、比較的空いている4GのLTEと3Gを併用できるようになったため、テザリングの利用が解禁されることとなったわけだ。

 一方のソフトバンクは、テザリング機能に関しては様子見という姿勢をとっている。思い返せば、KDDIがiPhoneの取り扱いを開始した当初、FaceTimeやメッセージといった主要のアプリが使えなかった。しかし、今年初めのアップデートでそうした不満を解消。iPhone 5の発売当初からテザリングを搭載することで、機能面に関してソフトバンクを出しぬいた格好になる。

■端末価格や月額料金は横並び、割引サービスに注目

 予約開始となった14日に、両社が出した端末価格は同じ。新規の24カ月契約での購入時は端末割引が適用され、16GBモデルが実質0円、32GBモデルが実質1万320円、64GBモデルが実質2万640円となる。

 2年間端末を使う際において、LTE通信が可能なパケット定額料は両者とも5460円と同じ。注目すべきは、両社とも積極的にMNP割引サービスを開始している点だ。たとえば、ソフトバンクはMNP利用時にパケット定額料を1505円割り引くプランを用意する。また、現在iPhone 4/4Sを使っているユーザーに限り、機種変更時に下取りを行う施策も打っている。

 対するauは、MNPによる乗換えユーザーに指定のオプションに加入することで月額基本料980円が24ヶ月間実質無料になる「女子割」を開始。自宅回線にauひかり(提携事業社含む)を利用しているユーザー向けの「auスマートバリュー」をあわせることで、2460円の割引を受けられる。

 iPhone 5発売まであとわずか。14日夕方には、量販店では予約客の行列ができていた。

KDDI vs ソフトバンク、iPhone 5のサービス戦略をチェック

《編集部@RBB TODAY》

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