【Fニッポン 第6戦】伊沢が“完逃”で初優勝、佐藤琢磨は初陣9位

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1-2でSUGO戦を制したダンディライアン勢。優勝の伊沢(左)と2位の塚越。
1-2でSUGO戦を制したダンディライアン勢。優勝の伊沢(左)と2位の塚越。 全 13 枚 拡大写真

全日本選手権フォーミュラ・ニッポンはシリーズ終盤戦に突入。“ラスト前”の第6戦決勝が23日、宮城県・スポーツランドSUGOで開催され、参戦5年目の伊沢拓也が雨中戦をポールから逃げ切って初優勝を飾った。今大会が初参戦となった佐藤琢磨は9位。

予選日はドライコンディションだったSUGOだが、決勝日は雨に。それでも、予選でフロントロウを独占した伊沢と塚越広大のダンディライアン・ホンダ勢、彼らの強さに変化はなかった。今季のダンディライアンはSUGOや鈴鹿、オートポリスのような、連続コーナー区間が多いコースでは滅法強い印象だ。セーフティカー先導でのスタートとなった雨の決勝でも、68周250kmの戦いを1-2独占のまま駆け抜けて、塚越が初優勝した第3戦以来2度目の1-2フィニッシュを達成。

「本当に走りやすいクルマに仕上がっていたから、僕はそれを信じて走るだけだった。今週は気持ち的にもすごく落ち着いていられました」(伊沢)
「フリー走行の走り出しの段階から、今回は伊沢さんに比べると僕の方がつまずいていた。そのちょっとした差が、最終的に1位と2位をわけたんだと思います」(塚越)

若い2人が高いレベルで競った末の1-2に、村岡潔監督も「切磋琢磨している2人が1勝ずつでの1-2フィニッシュ2回。本当にいいシーズンを送らせてもらっています」と、喜びと充実感に満ちたコメントだ。

これでダンディライアン勢はドライバーズタイトル争いの面でも大きな前進を遂げた。塚越が首位の中嶋一貴(トムス・トヨタ/今回5位)から1点差、伊沢が同6点差へと接近。最終戦は2レース制で実施されるため最大18点獲得でき、首位と10点差圏内なら連続ポール・トゥ・ウインで自力王座獲得が可能なのだ。そしてこの圏内には首位と5点差のアンドレ・ロッテラー(トムス/今回10位)と、同7点差のジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(インパル・トヨタ/今回6位)も位置しているため、なんと5人に自力王座の可能性があるという大接戦状態で、2012年のFニッポンはシリーズ最終戦を迎えることとなった。

今回のレースの3位はロイック・デュバル(キグナススノコ・トヨタ)で、4位は大嶋和也(チームルマン・トヨタ)。また、先週末にインディカー・シリーズの今季全日程を終えたばかりの佐藤琢磨が、今大会よりFニッポンに参戦を開始。チーム無限(エンジンはホンダ)からのFニッポン公式戦初陣は「これまで訪れたことさえない」というSUGOでの戦いだったが、「チャレンジングで攻めがいのある」コースで予選14位、決勝9位。「簡単なカテゴリーでないことは覚悟のうえ」での中途参戦だが、難しい挑戦を「もちろん、楽しんでいます」。これが琢磨流だ。だからファンも大きな声援を送る。

「今回の厳しく、苦労した週末のなかで、チームとして僕と山本尚貴選手の2カーでの戦いを初めて経験できたことで得られたものは、結果以上に大きい。鈴鹿に向けてポジティブに考えたいと思います」と語る琢磨。次戦は走り慣れた鈴鹿が舞台だけに、さらなる期待をかけていいだろう。

来季からスーパーフォーミュラへと名を変える本シリーズ、最後のFニッポン王者の称号をつかむのは果たして誰か? ポイント云々ではなく「とにかく鈴鹿で2レースとも勝つことに集中したい」旨を話す伊沢と塚越、それに一貴を加えた日本勢3人が初王座を目指し、ロッテラーとオリベイラは2度目の戴冠を睨む。激戦必至の最終戦鈴鹿は、秋も深まった11月3〜4日の開催だ。

《遠藤俊幸》

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