【住友ゴム環境タイヤ技術セミナー】タイヤテクニカルセンターで実施される性能試験とは

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インサイドドラム試験機
インサイドドラム試験機 全 12 枚 拡大写真

住友ゴム工業は「環境対応タイヤ技術セミナー」を神戸本社にて行った。

セミナーでは、同社技術者による最新技術の説明や商品の紹介などが行われ、技術開発の中枢である、タイヤテクニカルセンター(TTC)への見学会が行われた。TTCは本社ビルの向かいに位置し、2009年9月に竣工した地下1階、地上6階の研究施設。年間使用電力の全てを、風力や太陽光エネルギーから作られたグリーン電力でまかなっている。

TTCにあるタイヤ実験研究設備は大きく、静的特性、動的特性、形状・構造に別れており、メディアに公開された設備は動的特性設備の中から「インサイドドラム試験機」「大型無響実車研究室」「摩耗エネルギー測定装置」「転がり抵抗試験機」の4つであった。

インサイドドラム試験機は、様々な路面でのタイヤの動的特性を測定する試験設備で、内壁にアスファルト、水、そして氷を貼った大型のドラムを高速回転させ、そこにタイヤを走らせデータの計測を行う。

速度は200kmまで測定可能で、水膜の厚さも調整可能、ハイドロプレーニングに対する性能評価や氷盤制動性能の評価を行うという。アスファルト路面は計4種類、2種類のサーキットと2種類のアスファルトが用意され、見学時は室温-5度に保たれ、ブラックアイスバーン路面が用意されていた。

大型無響実車研究室は、タイヤのトレッドパターンの生み出すノードノイズの検証を行う大型部屋だ。実験室全体に吸音材が敷かれ、室内を遮蔽すると限りなく無音状態となる。トラック、バスの実車を搬入可能な作りになっており、タイヤのトレッド音を48chのマイクで測定する。見学では、同社のスポンジ入りタイヤの無響効果を体験した。

摩耗エネルギー測定装置は、タイヤの摩耗エネルギーを測定する。センサーの上にタイヤを転がし値を測定、タイヤの寿命や偏磨耗の検証を行い、新トレッドパターン開発の精度を高めているという。機械は全てオートメーション化されており、タイヤ一本に対し約8時間で計測は終了する。

転がり抵抗試験機は、その名の通りタイヤの転がり抵抗を測定する機器で、ラベリング制度に表示される転がり抵抗係数(RRC)を測定する重要な測定器となる。タイヤを回転させ、進行方向と逆向きに生じる抵抗力を測定する。空気圧や荷重、室温などが測定値に大きく影響するため、測定する部屋は密閉され各種調節が厳密に行われていた。実験には新品タイヤを使用し、試験速度は最高250kmまで測定可能だという。

《山本 一雄》

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