【トヨタ ポルテ 試乗】おすすめは1.5リッターエンジンの最上級グレード…松下宏

試乗記 国産車
トヨタ・ポルテ
トヨタ・ポルテ 全 20 枚 拡大写真

トヨタ『ポルテ』が『ラウム』を統合する形で8年振りのフルモデルチェンジを受けた。

左側に大きな電動スライドドア1枚、右側に通常のヒンジ式(ウイング式)ドア2枚という左右非対称のボディが特徴。非対称であるのは従来と変わらないが、右側のドアは1枚から2枚に変わった。

電動式のスライドドアによる大きな開口部は、ほかのコンパクトカーにはない優れた乗降性につながり、乗り降りだけでなくチャイルドシートを脱着するときにも便利。だれにでもアクセスしやすいクルマとされた。

全高は従来に比べるとやや低くなったものの、それでも1695ミリとかなり高めで、タワーパーキングなどには入れられない。逆に室内には小学校低学年の子供が立てるくらいの十分な室内高が確保される。

合理的なパッケージングによって全長が4m以下のコンパクトなボディの中に広い室内空間を確保するとともに、多彩なシートアレンジを可能とするのも特徴だ。

助手席のシートの背もたれを倒して前方に押しやれば、自在に使える後部空間が生まれる。また後席の背もたれを倒せば長尺物も積めるラゲッジスペースが作れるし、逆に後席の座面をチップアップさせれば背の高い荷物も積める。(前後席のアレンジシートはグレードや駆動方式によって違いがある)

コンパクトカーの室内空間の広さと使い勝手では、これまでホンダ『フィット』が断然優位に立っていたが、背の高いボディとシートアレンジによってポルテはフィットを上回る広さと、フィットに匹敵する使い勝手を実現した。

カップホルダー、買い物フック、ティッシュBOX収納、アンブレラホルダー、小物入れなどなど、コンパクトカーでお約束とされる収納スペースも豊富に用意され、いろいろと工夫が凝らされた室内空間としている。

この空間の使い勝手は子育てママから積極的にアウトドアレジャーを楽しむ若いユーザーまで、様々なニーズに対応できる。これまで子育てママ用の定番商品のようになっていたタントにとって、強力なライバル車になりそうだ。

ポルテを買うなら1.5リッター車がお勧めで、中でも最上級グレードのGが良い。ほかのグレードにはない遮音材や遮音ガラスが使われていて、より静かな走りを実現するほか、ナノイー付きのフルオートエアコン、本革巻きステアリングホイールなど、専用の装備がいろいろと用意されているからだ。

Gの174万円という価格は、1.5リッターエンジンを搭載するコンパクトカーとして決して安くないし、カーナビやアイドリングストップ機構などのオプションを装着すると車両価格ベースで200万円を超えてしまうのだが、ポルテを買うならGを選びたい。満足度の高い仕様を選んだ方が長く乗れるからだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

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