【BMW 320i 試乗】軽快な走りは変わらず…松下宏

試乗記 輸入車
BMW 3シリーズ
BMW 3シリーズ 全 11 枚 拡大写真

BMW『3シリーズ』は2012年2月に「328i」が登場した後、4月に「320i」を追加し、更に「アクティブ・ハイブリッド3」やディーゼル、4WD、ツーリングといった具合に、次々に車種ラインナップを充実させている。

これだけ次々に出てくると試乗するのが追いつかないほどだが、先日新たに追加された「320iスポーツ」に試乗したのでレポートしておきたい。これが3シリーズの主力モデルになるからだ。

328iと320iは、従来であればエンジンの排気量が異なることになるが、今回の3シリーズではどちらも直列4気筒2.0リットルの直噴ターボ仕様エンジンを搭載していて、エンジン制御の違いで異なる動力性能を得ている。その違いがグレード名の違いになっている。

パワー&トルクは328iが180kW/350N・mなのに対し、320iは135kW/270N・mという違いがある。それなりにはっきりした違いであるものの、320iでは走りに不満があるかといえば、決してそのようなことはない。実際に走らせてみると、320iで十分という印象である。

軽快なフットワークによる気持ち良い走行感覚がさすがにBMWという印象を与えるのは320iでも328iでも変わらない。エンジン性能の違いから、加速の伸びを比較すれば328iの方が優位に立つだろうが、320iが追加された今ではあえて328iを選ぶまでもない。

今ではBMWの大半のモデルに組み合わされる8速ATは、その滑らかな変速フィールは絶妙ともいえるもの。走らせていて自動変速に気付かないくらいなので、何速のギアで走っているのかすぐに分からなくなるほど滑らかだ。

アクティブステアなしの電動パワーステアリングの操舵(そうだ)フィールは、絶妙といえるほどの良さではないが、これも特に不満を感じさせるほどではない。

320iが追加された後では、3シリーズを買うなら320iがいち推しだ。だいいち、320iと328iの価格をベース車同士で比較すると、450万円と570万円で120万円もの違いがある。

この違いはエンジン性能だけでなく、装備や仕様にもいろいろな違いがあるために生じる価格差であるのは当然だが、だとしても120万円の価格差は余りにも大きい。大半のユーザーが320iを選ぶことになる。

320iには当初320i SEというグレードがあって、399万円の価格が設定されていた。省略される装備が何点かあるものの、カーナビも付いてこの価格だから相当に割安な印象だったのだが、現在では事実上ラインナップから外れている。BMWのサイトにも掲載されていないのだ。

BMW広報の話では、受注生産で注文を受けているとのことだが、納期が長くなるなど、現実には選択肢に入れるのは難しそうだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. BEVを2年間所有した、“リアルな”ランニングコストを大公開
  2. メルセデスベンツの万能車『ウニモグ』がキャンピングカーに! 数日間の自給自足が可能
  3. アルファロメオの新型コンパクトSUV『ジュニア』日本発売、ハイブリッド車が420万円から
  4. メルセデスの名車「190E エボ2」が復刻! 限定100台の「HWA EVO」にハンコック純正装着
  5. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  5. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
ランキングをもっと見る