プローブデータは新社会システムの進化発展への大きな力に…ITS世界大会東京2013

自動車 テクノロジー ITS
第20回 ITS 世界会議 東京 2013日本組織委員会 委員長の渡邉浩之氏
第20回 ITS 世界会議 東京 2013日本組織委員会 委員長の渡邉浩之氏 全 5 枚 拡大写真

ITS(Intelligent Transport Systems) 世界会議 東京 2013 日本組織委員会は、第3回日本組織委員会を10月3日に開催し、2013年10月に開催される「ITS 世界会議 東京 2013」の開催概要を固めたことを発表した。

ITS世界会議とは、ITSに関係する世界の政府、学会、民間企業、団体が一堂に会し、会議セッション、論文発表、講演、技術展示などが実施される複合的なイベント。ITSの世界的理解促進、普及促進を目的に会議を開催する。ITS世界会議は1994年にパリで第1回が開催されて以来、アジア・パシフィック、アメリカ、ヨーロッパの3地域も利回りで毎年開催されている国際会議であり、日本での開催は2004年の名古屋以来9年ぶりとなる。

同イベントの開催期間は2013年10月14日〜18日まで。開会式のみ東京国際フォーラムで10月14日に行い、それ以降主なプログラムは東京ビックサイトで18日まで行う予定。主なプログラムは、国際会議の開催、展示会の実施、ショーケース(会場内でのデモ)、テクニカルビジット、プレ/ポストコングレスツアー、論文募集など、700小間以上の展示スペース、合計250のセッションを予定している。

開催テーマは「Open ITS to the Next」。OpenをキーワードとしたITSの可能性を拓く4つの言葉「Open platforms」「Open connectivity」「Open opportunities」「Open collaboration」を会議コンセプトの軸とした。

会議では開催テーマに基いて、交通安全・渋滞の解消へのさらなる取り組み、持続可能な交通社会の実現に向けた次世代モビリティへの取り組みとエネルギーマネージメントとの融合、メガシティにおける人とモノの移動の効率化、人の移動・モノの輸送におけるインターモーダル・マルチモーダル、モバイル機器等を用いたモビリティのための個人向けサービス、レジエントな交通社会システムの構築、グローバル連携や共通の課題解決に向けた取り組み、と7つの項目に焦点を当てる。

日本組織委員会 委員長の渡邉浩之氏は、同イベントの訴求ポイントと次世代ITSに関して説明。「ITS世界会議東京の特に力を入れるべき訴求ポイントは3点あります。1つは、昨年の東日本大震災の経験と反省を活かした災害対応。2つめは、交通事故死ゼロに向けた取り組み。3つ目は、発展するアジアの模範となる経済発展、環境解決、メガシティの交通のあり方であります」

「昨年の大震災で、ITSジャパンは通れる道マップをインターネットで配信し被災者の方々の避難、緊急物資の移動の便を図りました。GPSの測位情報と車速などの情報を集約することによりリアルタイム性の高い、車の走行軌跡プローブ情報が得られるという仕組みです」

「個人の走行データはそれ単独ではあまり社会的意義はありませんが、その大量のデータを国レベルの大きな固まりとして束ね、従来型の車速センサーによる公の情報と組みあわせることによって、広い適用範囲とリアルタイム性の高い情報を調整することが可能となり、新しい形の社会的効果、貢献の可能性を示しております」

「例えば、災害時の迅速な避難と復興の支援、ドライバーが急ブレーキを頻繁に作動させる危険交差点の分布とインフラの改善、A地点からB地点まで最も早く低カーボンで移動できる多様な移動手段を賢くつなぐモーダルシフトなどであります。つまり、社会と個人の最適化が同時に実現できる、そうような時代が到来したということです。このプローブデータの有効利用は次の新しい社会システムの進化発展に大きな力となると期待しております。」

「高速道路では、我々は周りの車と動きを見ながら前方の地形や混み具合を時々刻々判断して、安全な走行を心がけておりますが、ミリ波レーダーと車車間通信を利用すれば、この更なる高度化が進み交通事故と渋滞の低減を図り、疲労の少ない快適な走行を実現する運転支援システムとなります。これは現在国と自動車メーカーの研究で実証されつつあり、実用化の準備が進んでいます。」

「渋滞の低減や交通安全を支援するだけでなく、高齢者の活発な活動を支援。そして、その究極には自動運転の世界があります。つまり市民1人ひとりが社会貢献を現実の行動で実践する、今までにない市民参加型の新しい社会の到来をITS世界会議東京2013が世界に問いかけることができる、いや問いかけるべきだと私は考えております」と来年開催に向けて意気込みを語った。

《山本 一雄》

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