フルモデルチェンジして、2代目となったトヨタ『オーリス』。ユーザーの意見を踏まえ、大きな変革を遂げた。
同社製品企画本部ZE主査の末沢泰謙さんは、「先代のオーリスが2006年にデビューした際、直感性能だとうたいました。この直感性能は見た瞬間に格好いい、走りそう。乗った瞬間に、質感を含めて納得いただけるものを目指しました」という。しかし、ユーザーからは、実用的で乗りやすいところが良いという評価だった。「本来狙っていたスポーティさや、ハッチバックの持つデザインの良さは、あまり高い評価ではなく、また、内装もがんばって意匠はしましたが、質感が低いとか、堅いものが多いというご意見だったのです」
その評価は購入者の属性も一因だった。当初狙っていたボリュームゾーンは30から40代で、小・中学生の子供がいて、ハッチバックでも苦にならない層であった。しかし実際は、「お子様がもう大学に行くなど、いわゆる子離れ層のお客様がメインに買っていただきました」と分析。「その方たちの質感に対するこだわりなどがご希望に達しなかった。また、デザインも、やはり格好いいほうがいいと。歳を重ねた人向きのデザインではなく、ダイナミックなデザイン、かつ質感と、高級感があるものを求められていることがわかったのです」と話す。
そこで、「年配の方がボリューム層なるにしても、格好いいデザインじゃないといけない。質感で手を抜いてもいけない。さらに、走りももっと訴求したい。それをまさに反映させたのがこのクルマということになります」と述べる。
また、オーリスはグローバル展開モデルでもある。欧州でのユーザーの評価はどうだったのだろうか。「結局は一緒です」と末沢さん。「ヨーロッパの50、60、70代の方でも、すごくデザインを重視しています。若者が好むデザインじゃないと駄目なのです」と語った。