【SUPER GT 最終戦】GT300王座は峰尾&横溝ポルシェが大逆転で獲得

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カーナンバー911、峰尾と横溝が駆るポルシェ911(写真は予選日)。
カーナンバー911、峰尾と横溝が駆るポルシェ911(写真は予選日)。 全 12 枚 拡大写真

SUPER GTのシリーズ第8戦が、28日、栃木県・ツインリンクもてぎで決勝日を迎え、ポルシェ2台とアストンマーチン1台の三つ巴となってこの最終戦までもつれていたGT300クラスのドライバーズタイトル争いを、峰尾恭輔&横溝直輝(ポルシェ)が制した。

#33 HANKOOK PORSCHE(影山正美&藤井誠暢)、#66 triple a vantage GT3(吉本大樹&星野一樹)、#911 エンドレス TAISAN 911(峰尾&横溝)と、3つの陣営にチャンスが残っての最終戦。影山組ポルシェと吉本組アストンには自力王座の権利があり、ともに“勝てばチャンピオン”。一方、峰尾組ポルシェは勝った場合でも他の2車の順位次第という厳しい状況だったわけだが、その最終決戦は予選日から波乱含みの展開となった。吉本組がマシントラブルのためにタイムを出すことができず、ほぼ最後尾に沈んでしまったのだ。対照的にポルシェ2台の方は影山組ポール、峰尾組2位と、フロントロウに並ぶ。

ドライコンディションでレコードタイム連発だった予選とは打って変わって、決勝は雨。そのためレースはセーフティカー先導スタートとなるが、いざ3周目に開戦してみると、首位#33ポルシェ(影山)のペースが上がってこない。#911ポルシェ(横溝)が8周目にこれをパスして首位へ。#33ポルシェはさらに順位を落としていってしまう。

その頃、後方では#66アストン(星野)が猛追を展開していた。22位発進から14周目には早くも7位、さらには後退してきた#33ポルシェをかわして6位に上がる。中盤の23周目には5位へ。

#911ポルシェが優勝した場合でも、#66アストンは2位まで行けばチャンピオンだ。しかし、星野から吉本へのバトンタッチ時に痛恨のピットロード制限速度違反でドライブスルーペナルティを受けてしまい、万事休す(このレース最終的に5位)。#33ポルシェは藤井に交替後も巻き返しはならず、7位に終わった。そして#911ポルシェは終盤、峰尾が2位のマシンに接近を許すも逃げ切って、大逆転でドライバーズタイトルを奪取(チームタイトルも獲得)。

峰尾「終盤、2位のマシンに迫られた時は、『ポルシェの得意なトラクションを活かした走りをしよう、(チャンピオン争いはさておき)とりあえず優勝を』と考えて走りました」
横溝「#33を抜くにはワンチャンスしかないと、思っていました。同じポルシェでタイヤメーカーが異なるなか、強敵とガチンコの素晴らしい戦いができて、そしてチャンピオンになれた。チームのみんなに感謝しています」

雨のレースになると、各タイヤメーカーが持ち込んだレインタイヤと雨量との相性が勝負を左右してしまう面もある。今回は結果的に#911ポルシェを含む多数派ヨコハマ勢が上位を占め、唯一ハンコックを使う#33ポルシェにとっては厳しい展開となった。なお、このレースの2〜3位はランボルギーニ・ガヤルド勢で、2位が#87山西康司&山内英輝、3位は#88織戸学&青木孝行。

シリーズ最終戦は、原則全車ノーハンデの戦い(欠場等があった一部車両にはウエイトハンデが残る)。開幕戦以来の真正ガチンコ勝負で、一年間のマシン熟成の度合いを競う舞台ともいえるわけだが、すでに前戦でタイトル争いが決着したGT500クラスはまさにそういった意味合いでの最終戦となったなか、ポール発進の#38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路&平手晃平)が、ドライバーとチームの両部門で連覇決定済みの#1 S Road REITO MOLA GT-R(柳田真孝&ロニー・クインタレッリ)を振り切って優勝。ニッサンGT-R勢の連勝を3で止め、今季はレクサスSC430勢がクラス最多の4勝を挙げてシリーズを終えることとなった(ホンダHSV-010 GTは1勝)。このレースの3位は#32 EPSON HSV-010(道上龍&中山友貴)。

これでシリーズ戦は幕を閉じたが、SUPER GTの今季最後の戦いは11月16〜18日に静岡県・富士スピードウェイで開催される「JAF GP 富士スプリントカップ」だ(フォーミュラ・ニッポン併催)。今回のもてぎ戦も通常より短い250kmレースだったが、今度は100kmの超スプリント戦をドライバー交代なしの2レース制で競う“特別戦”である(ペア両名が第1レースと第2レースに分かれて戦う)。しかもクラス別立て実施なので、計4回も決勝レースが行なわれることになるJAF GP。来季を占う意味でも、富士での今季総決算の戦いにはシリーズ最終戦同様、大きな注目が注がれる。

《遠藤俊幸》

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