三菱マテリアル、広温度範囲測定用サーミスタ材料を開発…クリーンディーゼルエンジンに貢献

自動車 ビジネス 企業動向
従来材料との測定温度範囲の比較
従来材料との測定温度範囲の比較 全 2 枚 拡大写真
三菱マテリアルは、広範囲にわたる温度測定を可能にしたサーミスタ材料を開発したと発表した。

現在ディーゼル車のエンジンは、環境規制の強化によりNOxの排出を抑制するクリーンディーゼルエンジンが主流となっており、このクリーンディーゼルエンジンなどに用いられているEGR(排気再循環)システムは、排気ガスの一部を取り出し、吸気側へ循環させることによりNOxの低減および低燃費化を図っている。

最適な燃焼制御を行うためには、循環ガスの温度と流量を適切に検知することが必要であり、現状では燃焼ガスの温度により抵抗値が急激に変化することで温度測定を可能にするサーミスタが多くのエンジンに用いられている。一般にEGR用温度センサはマイナス40度から250度程度が測定範囲となるが、今後は温度検出位置の多様化により、これまで以上に高温域での温度測定が要求されることが予想されている。

今回同社が開発したサーミスタ材料では、従来のサーミスタより、小さい抵抗温度係数(低いB定数)を有するため、マイナス40 度の低温域から最大500度の高温域までの範囲を測定することが可能となる。これは同社が持つサーミスタ材料技術を活用し、ペロブスカイト構造ABO3の添加元素の大小によって格子歪を緩和する効果と、価数置換によるキャリア導入によって電気伝導性を制御した結果、従来よりも低いB定数2000K以下を達成したことによる。

今後、この広温度範囲測定用サーミスタ材料を起用することで、クリーンディーゼルエンジンの性能を飛躍的に向上させることが可能となり、さらに、同サーミスタ材料は、省エネ、低燃費化により地球環境に貢献する材料として、自動車以外にも燃料電池などの高温用途への展開が期待できる。

《纐纈敏也@DAYS》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「思ったよりだいぶ安い」トヨタ『GRヤリス』に新登場、エアロパフォーマンスパッケージに絶賛の声
  2. メルセデスベンツ『Cクラス』次期型を予告、光る大型グリル採用…初のEVも設定へ
  3. 「TWIN TURBOのロゴ懐かしい!」Z32ファン感涙、レトロ感あふれる新型『フェアレディZ』が話題に
  4. BYDが新型PHEVワゴンを欧州初公開、エンジン併用で航続1300km以上…IAAモビリティ2025
  5. 「妄想が現実になった」トヨタがAE86のエンジン部品を発売へ…「復刻だけじゃない」その内容に驚きの声
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る