本物のジェット旅客機を墜落させた実験

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ディスカバリーチャンネル「好奇心の扉:航空機事故は解明できるのか?」 (C) 2012 Discovery Communications
ディスカバリーチャンネル「好奇心の扉:航空機事故は解明できるのか?」 (C) 2012 Discovery Communications 全 4 枚 拡大写真

 世界最大級のドキュメンタリーチャンネル「ディスカバリーチャンネル」は、実物のジェット旅客機を実際に墜落させる大規模実験を行なった番組「好奇心の扉:航空機事故は解明できるのか?」(2時間)を、11月6日夜10時から日本初放送する。

 今までは事故後のデータしかないため推測しかできなかった航空機が墜落するメカニズム。番組では、そのデータを得ることにより、航空機の安全性を高めることを目的に、ジェット旅客機「ボーイング727」を、メキシコの砂漠に墜落させるクラッシュテストを行なった。機内には、衝突試験用のダミー人形をはじめとする実験器具とともに、約40台のカメラやセンサーを設置して、墜落の一部始終を記録した。

 実験機に搭乗した人数は6名(飛行要員3人とそれぞれのスカイダイバー)。墜落の30分前に副操縦士と航空機関士がパラシュートで脱出。通常の旅客機はエンジン近くに脱出ハッチがあるが、この機体は後方にあるため、脱出が安全だ。パイロットは、追跡飛行していたセスナ機による遠隔操作に操縦を交代し、墜落3分前にスカイダイバーと脱出。その後、遠隔操作で所定の位置に墜落させた。

 1984年にNASAが入念なリハーサルを行ったにも関わらず、墜落時に予想を上回る炎上が起きて失敗したように、墜落後に機体が燃えてしまうとデータが手に入らないため、データを取得できる状態での墜落を目指した。84年のNASA以降、航空機を使った大規模な実験は、予測不能で危険すぎ、費用もかかるという理由で行なわれてこなかった。

<名言>
「これって、模型飛行機を操縦するヤツじゃ…」 元米海軍戦闘機パイロット、チップ・シャンリ少佐。遠隔操作するリモコンを見て。
「今この飛行機を飛ばしているのはプラモの店で買った送信機です」 遠隔操作システム設計技師バーニー・バーネット
「さようなら」 メキシコ、メヒカリ空港航空交通管制官。パイロットを送り出す際に、通常は「安全なフライトを」と言うが、今回は墜落することが分かっているのでなんとも言えず、代わりに言った言葉。

 米国防省ミサイル計画従事者などを含む400名のプロジェクトチームを結成し、4年の歳月と数億円の費用をかけて行った大規模実験。番組のダイジェスト版は動画共有サイトで見ることができる。

《編集部@RBB TODAY》

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