【日産 ラティオ 試乗】これで十分、納得の仕上がり…島崎七生人
試乗記
国産車

良いのは、実用性がとことん追求されている点。なかでも後席は、前席をリヤモーストにした状態でもなお呆れるほど足元が広い。2600mmのホイールベースが奢られた恩恵だ。ドアガラスも下まで下りきる。広さはトランクも同様で、下手な上級セダンでは歯が立たないほどの大容量。すばらしい。
マーチとベースは一緒…の先入観で乗り込むと、ゆとり、質感も2ランクほど上と実感させられる。2眼メーターの備わるインパネはシンプルの極みだが、サッパリしており清々しい。それとシートも表皮の張り、クッションの適度な反発力で身体を支えてくれる欧州車のような出来栄え。これをマーチにも“お裾分け”してほしいとさえ思った。
パワーユニットは1.2リットル3気筒エンジン+CVTとマーチと同じ。しかしラティオには十分で、ジンワリとクルマを走らせる。マーチでは感じた、アクセルオン/オフの過渡的状況で不可避な振動や共振、耳につく騒音も感じない。こなれた乗り味、しっとりとしたステアリングフィールも問題なしだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年より『GOLD CARトップ・ニューカー速報』の取材/執筆を皮切りにフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。