JR東日本は、五年(ごねん)消雪基地に複数台のヒートポンプを仮設し、既存ボイラシステムと、複数台のヒートポンプの最適な制御方法を開発し、CO2排出量の削減効果について検証すると発表した。
散水消雪設備におけるヒートポンプの活用は、貯水槽の水をヒートポンプにより空気熱を利用して予熱し、ボイラによる化石燃料の消費量を削減する。予熱したエネルギーを最大限有効利用するため、既存ボイラの運転方法を変更することで最適化を図り、CO2排出量を削減する。
同社では2011年度に金巻消雪基地に大型ヒートポンプを1台設置して実施した基礎試験で、寒冷地でもヒートポンプでの空気熱利用が可能であることを確認した。また、試験により約7%のCO2排出量削減効果が期待できることも確認した。
基礎試験を踏まえて、実用化に向けて金巻消雪基地よりも規模の大きい五年消雪基地に、ヒートポンプを3台に増設し、2013年1月から長期耐久試験を進める。ヒートポンプを活用した鉄道向けの散水消雪の試験設備としては、国内で最大規模となる。