NASA、宇宙科学のページで「ダークエナジー」について解説

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NASAの宇宙科学についての解説ページ「Astrophysics」で、宇宙空間に存在する「ダークエナジー」についての興味深い論考が公開された。その要約は以下の通り。

ダークエナジーはおよそ宇宙の70%を占めると考えられている。そしてダークマターが25%を占め、地球の全てやこれまでに全ての装置を利用して観測された全てのものを含むノーマルマターが5%を占める。

ひとつの仮説は、ダークエナジーは宇宙の所有物であるとする説である。アルバート・アインシュタインが、空虚な宇宙は虚無ではないと考えた最初の一人である。アインシュタインの発見した最初の所有物は、それがさらなる宇宙が存在する可能性があるというもので、そして「コスモロジカル・コンスタント」を含むアインシュタインの重力理論の一つのバージョンが、空虚な宇宙が独自のエネルギーを所有することができるという2度目の予言となる。

ダークエネルギーは、いわゆるエネルギー保存の法則とは相反する。なぜなら、宇宙の拡大と共に薄められることはないからだ。さらなる宇宙が存在すると共に、さらにこの宇宙のエネルギーが現れる。その結果として、このエネルギーの形は宇宙が拡大するのを、より速める原因となる。

不幸な事に、誰もこのコスモロジカル・コンスタントがそこにあるべきかどうかだけでなく、なぜそれが観測された宇宙の加速に対して全く正しいと評価されるべきか理解できる者はいない。

この他にも宇宙の虚無が一時的な粒子によって満たされていて、それが発生と喪失を限りなく繰り返しているという仮説や、「クインテッセンス」という名で呼ばれる新しいダークエネルギーの形式が存在するという仮説があるが、どちらも天文学者や科学者達を納得させるには至っていない。

そして最後の可能性は、アインシュタインの重力の仮説が誤りであるというものである。この事実は、ダークエナジー問題の解決が、新たな重力理論であるかどうかを我々が、宇宙がどのようにしてこのような星の群れになったのかを観測することで、決定付ける方法を提供する。だがその新たな重力理論がどのようなもので、どのように現在の太陽系の動きなどを説明できるのかは、幾つかの仮説の候補はあるものの、我々を強引に納得させるには不十分である。

結論として、ダークエナジーの可能性を決定するのには、宇宙の所有物、新種の動的液状体、または新たな重力理論などを解明するための、多くの良質なデータが必要だ。

《河村兵衛》

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