三菱重工業は1月8日、米国の直販体制を強化するため、フォークリフト販売サービス会社デイリー・エクイップメント(DE)を買収したと発表した。
三菱重工はDEを買収によって、巨大物流市場である北米地域で、顧客に密着した直販網を拡大、事業の強化を図る。
DEは1985年に設立、ミシシッピ州ジャクソンに本社を置き、同州とルイジアナ州に計6カ所の営業拠点を展開している。従業員は約160人。
これまで三菱ブランド、キャタピラーブランド、ユングハインリッヒブランド製品を中心に物流機器製品の販売サービスを行ってきた。買収後は現在の経営陣がとどまり、取り扱い製品や補修部品の拡充、メンテナンスを始めとするサービス関連販売の拡大、販売テリトリーの拡大などを順次進めていく予定。
DEの買収は、三菱重工の米国フォークリフト生産販売子会社である三菱キャタピラー・フォークリフト・アメリカ(MCFA)が実施した。
三菱重工は、DEの買収で直販網を拡大するとともに、DEを北米市場で顧客密着モデルへの転換の先導的取り組みと位置づけ、今後、直販網の拡大も検討する。また、MCFAとDEで重複している業務を見直し、MCFAの経営体質を強化する。
三菱重工は今年度からの中期経営計画「2012事業計画」で、フォークリフト事業の収益基盤強化に向け、「グローバル生産体制の再編」と「サービス事業強化」を二本柱として打ち出している。
今回、中核市場である北米でサービス事業を強化することにより、フォークリフト事業の世界シェア拡大に向けた展開を加速し、2014年度に売上高2500億円達成を目指す。