過密するタンソンニャット国際空港とロンタン新国際空港計画の行方 ベトナム

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タンソンニャット国際空港利用者人数
タンソンニャット国際空港利用者人数 全 8 枚 拡大写真

タンソンニャット国際空港は2007年に急増する旅客需要に対応するために最大700万人規模の旅客に対応できる国際旅客ターミナル及び付帯施設を建設しました。

【画像全8枚】

しかし、旅客需要は当初の予測を大きく上回る形で推移しており、今後タンソンニャット国際空港だけでは、旅客需要に対応することが難しくなることが予想されており、ベトナム政府はタンソンニャットの処理能力が限界を迎える2020年を目処にロンタン国際空港を建設することを決定しています。

今回は、JICAベトナム事務所様及び日本空港コンサルタンツ様のご協力により、タンソンニャット国際空港ターミナルビル建設工事の概要とロンタン国際空港の計画の必要性についてご紹介します。

タンソンニャット国際空港はホーチミン市内中心部から北約7kmほどの場所に位置しており、非常に利便性の高い空港となっています。

また、ホーチミン市はベトナム南部の主要経済地域の中心地であり、ベトナムの経済発展と共にタンソンニャット国際空港の利用価値は益々高まっています。

2001年のベトナム国運輸交通開発戦略調査及び国際航空運送協会の予測によるとタンソンニャット国際空港の国内・国際旅客数が2000年の370万人から2005年に590万人、2015年に1200万人、2020年には1500万人に達すると見込まれていました。

当時の既存の空港施設では国際・国内線合わせて年間500万人程度の利用が限界とされており、近い将来の利用者増を見越して、既存ターミナルを国内線専用とし、新たに国際線旅客ターミナルが建設されました。

このタンソンニャット新国際ターミナル建設工事は2004年9月にスタートし、2007年7月に完了しています。新ターミナルの概要は右の通りです。

工事概要
 工事場所:ベトナム ホーチミン市
 発注者:南部空港会社Southern Airport Corporation(SAC)
 資金源:国際協力機構(JICA) 総工事費:約200億円
 設計者:JAPAN Airport Consultants, Inc.(JAC)
 請負方式:JV---KTOMJV
  (鹿島28%・大成24%・大林24%・前田24%)
 工  期:2004年9月14~2007年7月末
◆計画概要:(2015年目標)
 年間乗客数:700万人
 一日乗客数:2,1000人 一日発着回数:136
◆建物概要:
 規  模:RC造(屋根S造) 地上4階
 建築面積:30,127平米 延床面積:99,648平米
 敷地面積:153,600平米 最高高さ:24.5m
◆工事特徴:

タンソンニャット国際空港は2010年に国際旅客703万人、国内旅客803万人、航空貨物35万トンの実績がありますが、これは2001年時点での2010年予測値を大幅に超える実績となっています。

特に国内旅客は2001年の予測では370万人であったのに対し、2010年の実績は803万人となっており、2倍以上の差異があります。急増する国内線需要も考慮に入れると近い将来に利用者が2000万人になることが予想されます。

現在タンソンニャット国際空港には3800mと3048mの2 本の滑走路があり、これら2本の滑走路は2000万人の旅客を処理するために十分な能力がありますが、駐機スポットは2000万人対応とするためには十分とは言えず、今後再配置又は拡張が必要となります。

新たな空港の必要性

タンソンニャット国際空港はホーチミン市内に位置しており、周辺の急速な市街地化に伴い騒音問題なども深刻化してきており、予想を上回るペースで拡大する航空需要に対応して拡張することは困難となってきています。

また、タンソンニャット国際空港では2011年4月の時点で、週542便(出発便数)の国際定期便が就航しており、1日平均77便の出発便が運行されています。出発便のピーク時間帯は10時代が9便、更に到着便も8便が運行されており、17スポットが国際線旅客機で占有される状況になっています。

国内線では1日に108便(出発便数)が運行されており出発便のピークは朝6時台に16便、また到着便のピークは9時代の12便となっています。

そこでベトナム政府は、南部の空港を管理運営している南部空港会社Southern Airport Corporation(SAC)に対して新空港の建設可能性の調査を実施するように指示し、2003年に最終報告書が提出され、ホーチミン市から東に約35kmの場所に位置するドンナイ省ロンタン地区の5km×10kmの用地が候補地として選定されました。

現在ベトナム政府は2020年を目処にロンタン国際空港を建設することを予定しており、2010年12月にはSACが日本空港コンサルタンツ(JAC)にロンタン国際空港のマスタープラン調査を委託、計画としては2020年を目処にロンタン国際空港を運用開始し、2035年あたりまでタンソンニャット国際空港との併用を行う予定です。

《桜場 伸介》

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