【BMW アクティブハイブリッド3 試乗】静かで滑らかな走りと余裕のパフォーマンス…松下宏

試乗記 輸入車
BMWアクティブハイブリッド3
BMWアクティブハイブリッド3 全 14 枚 拡大写真

現行モデルのBMW『3シリーズ』は欧州車としては珍しく短期間に一気にバリエーション展開を図った。その中にアクティブハイブリッド3もある。

【画像全14枚】

標準車とハイブリッド車の外観上の違いは、エンブレムやリヤのデュアル・エギゾーストパイプなど。インテリアはドアを開けたときのサイドシルプレートやセンターコンソールにもアクティブハイブリッド3の文字が配置されるが、全体には控えめな演出である。

BMWのハイブリッドは最初の『7シリーズ』はマイルドハイブリッド方式だったが、今回のアクティブハイブリッド3など、最近のハイブリッド車はいずれもフルハイブリッド方式である。

3シリーズを含めて各モデルとも、従来の335iに搭載されていた直列6気筒3.0リッターのターボ仕様エンジンに電気モーターを組み合わせ、フルハイブリッド車に仕上げている。

ハイブリッド用の電池はリチウムイオン電池をラゲッジスペースの床下に配置する。ラゲッジスペースそのものは390リッターが確保されているので、スペースの犠牲は最小限にとどめられた。

基本のエンジン性能が十分に高い上に電気モーターのトルクが加わるので、動力性能の余裕は十分すぎるほどだ。エンジンだけでも225kWに加え40kWのモーターを加えることで、システムトータルとして250kW/450N・mのパワー&トルクを発生できる。

発進直後から最大トルクが立ち上がるモーターの特性に加え、滑らかという6気筒エンジンの素性の良さが加わって、走りのパフォーマンスは相当に高いレベルにある。0-100km/h加速を5.3秒でこなすというから、ちょっとしたスポーツカー並みというか、それ以上の実力だ。

逆に静かに走り出せば、電池の充電状態にもよるが、時速75kmまで、走行距離にして3~4kmの区間を電気モーターだけで走ることができる。フルハイブリッドならではのEVモード性能だ。

また燃費を重視するECO PROモードを選んで走れば、時速80km以上の高速走行においても、アクセルにオフにするとエンジンとトランスミッションが切り離されてコースティング(空走)状態に入る。エンジンを停止させた状態で走行できるのだ。この機能は時速160kmまで可能という。

空走状態からアクセルを踏めばすぐにエンジンが再始動する。このときに何のショックも騒音もないので、タコメーターを見ていないとエンジンの再始動が分からない。それほどスムーズにエンジンが停止したり、再始動したりする。

従来の3シリーズでも、335iの走りの性能は大きな魅力だったが、今回のアクティブハイブリッド3は更に魅力的な存在である。優れた走りのパフォーマンスとリッター16.5kmという燃費性能とのバランスが大きな魅力となるからだ。

抑えた価格設定も魅力だ。絶対的には決して安いとはいえないが、フルモデルチェンジによる仕様の向上が基本にあり、これに電気モーターとリチウムイオン電池を加えたハイブリッドシステムを採用しながら、従来の335iに比べてわずか13万円高に抑えられている。

5/7シリーズもハイブリッド車の価格が割安な水準に抑えられており、日本でハイブリッド車を積極的に売ろうとするBMWの価格政策が見てとれる。

試乗したモダンが719万円、Mスポーツは745万円の本体価格であり、オプションを含めた試乗車の価格はそれぞれ789万円と800万9000円になっていたから、絶対的な価格は十分に高い。魅力的ではあるが、簡単に手を出せないクルマであるのも確かである。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

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